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文献概要
特集 認知運動療法の適応と限界
骨関節疾患に対する認知運動療法
著者: 沖田一彦1
所属機関: 1広島県立保健福祉大学理学療法学科
ページ範囲:P.917 - P.923
文献購入ページに移動 理学療法が応用科学(applied science)だとすれば,それが「何を基礎とし」,それを評価や治療に「どう応用するか」は極めて重要な問題となる.骨関節疾患の運動障害に対する理学療法は,整形外科における保存・術後療法として発展してきた経緯があり,生物学としての解剖学や生理学,および物理学としての運動学や運動力学をその主な基礎としてきた.その結果,身体の不活動性変化(deterioration change)として発生する筋や関節の病理を,物理療法や運動療法によって直接的に克服・予防することをその主な目的としてきた1,2).
一方,1960年代にイタリアでそのアイデアが出され,1970年代に脳卒中片麻痺に対する治療法として出発した認知運動療法(esercizio terapeutico conoscitivo;ETC)3)は,1980年代には運動器の障害にまでその適用が拡大されている4).しかし,ETCは,その名前が示すとおり,「認知理論」に基づく治療体系であり5),多くの理学療法士(以下PT)は「中枢神経疾患にならともかく,なぜ骨関節疾患に“認知”が問題となるのか」という疑問をもつことであろう.
一方,1960年代にイタリアでそのアイデアが出され,1970年代に脳卒中片麻痺に対する治療法として出発した認知運動療法(esercizio terapeutico conoscitivo;ETC)3)は,1980年代には運動器の障害にまでその適用が拡大されている4).しかし,ETCは,その名前が示すとおり,「認知理論」に基づく治療体系であり5),多くの理学療法士(以下PT)は「中枢神経疾患にならともかく,なぜ骨関節疾患に“認知”が問題となるのか」という疑問をもつことであろう.
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