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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル38巻11号

2004年11月発行

文献概要

講座 実践「臨床疫学」・3

大腿骨頸部骨折に対する理学療法―帰結の予測の重要性

著者: 岡西哲夫1 及部珠紀2 山上潤一2 田原弥生2

所属機関: 1藤田保健衛生大学衛生学部リハビリテーション学科 2藤田保健衛生大学病院リハビリテーション部

ページ範囲:P.959 - P.968

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 EBM(evidence-based medicine)実践の本来の流れは,患者に始まり患者に終わる一連の問題解決の手法として,まず患者の臨床上生じた疑問を明確にし,次のステップとして,その明確になった疑問についての情報を収集する1).しかし,本講座:実践「臨床疫学」では,今回のテーマである大腿骨頸部骨折に対する理学療法(主として運動療法)にかかわる一般的疑問点について,まず,システマティックレビューを行い,その後,実際に経験した実例を取り上げ,EBMに基づいた理学療法の実施について解説を試みる.

情報収集と文献検索

 今回の大腿骨頸部骨折に対する臨床上の疑問点は,①大腿骨頸部骨折の疼痛,②関節可動域,筋力,③バランス,④歩行機能の再獲得などに対する運動療法(運動の介入)の効果についてである.これらについての文献検索は,簡便にかつ信頼のおける情報を手に入れることが重要である.今回は,具体的な情報源として,信頼性の高い情報を集めた2次資料であるコクランライブラリーをインターネットで検索した.キーワードとして“hip fracture”,“rehabilitation”を入力し,さらに,データベース・システマティックレビューを検索することにより,本疾患に関する52のレビューの中から運動の介入効果に関係する論文「高齢者の大腿骨頸部骨折術後のモビライゼーション戦略」(Mobilisation strategies after hip fracture sur-gery in adults2))(以下,コクラン・レビュー)を抽出できた.そこで,このレビューで吟味されている論文を中心に,Ovid MEDLINE,Pub Med,医学中央雑誌(以下,医中誌)の検索も行いながら,その研究の結果が臨床的に重要かどうかを吟味したうえで,現段階において推奨できる運動の介入の段階化を試みる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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