文献詳細
文献概要
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編集後記
著者: 鶴見隆正
所属機関:
ページ範囲:P.992 - P.992
文献購入ページに移動 本号の特集テーマは「認知運動療法」です.本誌に認知運動療法が初めて紹介されたのは1992年の第26巻第1号の特別寄稿「脳卒中片麻痺に対する認知運動療法:学習過程としてのリハビリテーション」と題したものです.これは当時の編集委員会が認知運動療法を提唱されていたイタリアのリハビリテーション医Carlo Perfetti氏に執筆依頼したもので,認知運動療法の考え方,アプローチ方法などについて総論的に記述されています.
認知運動療法の理論は,整形外科系の運動療法は「量的」で,中枢神経系の運動療法は「質的」といった二極的な理論図式ではなく,身体運動を連鎖的にかつ運動学習的に捉え,外界からの刺激反応を認知統合したうえで身体運動をスムーズに発揮できるようにする新しい運動療法の一つであると私は解釈しています.しかしながら認知運動療法に関してはまだ仮説も多く,定説化されてはいません.新しい運動療法のパラダイムとして進化するためには臨床データを蓄積し,適応と効果について多面的な検証を行うことが重要で,その直向な取り組みが多くの理学療法士に受け入れられる原点になると考えます.このような意味合いを踏まえて,今回,認知運動療法の第一人者で編集同人であります宮本省三氏に「認知運動療法の適応と限界」とした企画をお願いした次第です.
認知運動療法の理論は,整形外科系の運動療法は「量的」で,中枢神経系の運動療法は「質的」といった二極的な理論図式ではなく,身体運動を連鎖的にかつ運動学習的に捉え,外界からの刺激反応を認知統合したうえで身体運動をスムーズに発揮できるようにする新しい運動療法の一つであると私は解釈しています.しかしながら認知運動療法に関してはまだ仮説も多く,定説化されてはいません.新しい運動療法のパラダイムとして進化するためには臨床データを蓄積し,適応と効果について多面的な検証を行うことが重要で,その直向な取り組みが多くの理学療法士に受け入れられる原点になると考えます.このような意味合いを踏まえて,今回,認知運動療法の第一人者で編集同人であります宮本省三氏に「認知運動療法の適応と限界」とした企画をお願いした次第です.
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