文献詳細
文献概要
特集 理学療法士の国際協力 私の国際協力体験
世界という名の壁をこえて(フィジー)
著者: 相原誠1
所属機関: 1藤田脳神経外科病院リハビリテーション科
ページ範囲:P.1033 - P.1035
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私は,昔から国際情勢に特別興味があったわけでも,日本での生活に失望していたわけでもなかった.しかし,結果的には平成15年4月までの2年間,青年海外協力隊員として,南太平洋に浮かぶフィジー諸島で理学療法士として活動を行ってきた.人にはよく「どうしてそんな事を?」と訊かれるが,別に崇高な使命を感じて行ったわけではなかった.ただ,子供の頃からちょっとした違和感を覚えており,それを自分の中でなんとかしたかっただけだったのかもしれない.
今も昔もテレビ画面には貧困や戦争のせいで泣いている子供たちがよく現れる.子供時分から飢えたことなどなかった私にとって,おやつを食べながら見る自分と同年代の子供たちのその姿に,「あれ? どうしてだろう?」と素朴な疑問を感じていた.「自分と,あの子とは何が違っているんだろう…」と.参加の動機といえばこれくらいだろうか.自分が貧しい国に行ってそれを変えてやろう,などと大それたことを考えていたわけではない.ただ,子供の頃に感じた違和感を大人になったらいつかこの目で確かめてやろう,と思っていた.それを実行したに過ぎない.
私は,昔から国際情勢に特別興味があったわけでも,日本での生活に失望していたわけでもなかった.しかし,結果的には平成15年4月までの2年間,青年海外協力隊員として,南太平洋に浮かぶフィジー諸島で理学療法士として活動を行ってきた.人にはよく「どうしてそんな事を?」と訊かれるが,別に崇高な使命を感じて行ったわけではなかった.ただ,子供の頃からちょっとした違和感を覚えており,それを自分の中でなんとかしたかっただけだったのかもしれない.
今も昔もテレビ画面には貧困や戦争のせいで泣いている子供たちがよく現れる.子供時分から飢えたことなどなかった私にとって,おやつを食べながら見る自分と同年代の子供たちのその姿に,「あれ? どうしてだろう?」と素朴な疑問を感じていた.「自分と,あの子とは何が違っているんだろう…」と.参加の動機といえばこれくらいだろうか.自分が貧しい国に行ってそれを変えてやろう,などと大それたことを考えていたわけではない.ただ,子供の頃に感じた違和感を大人になったらいつかこの目で確かめてやろう,と思っていた.それを実行したに過ぎない.
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