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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル38巻12号

2004年12月発行

文献概要

原著

総荷重時間規定下における荷重開始時期の相違がラットヒラメ筋の廃用性萎縮に及ぼす影響

著者: 山崎俊明1 立野勝彦1

所属機関: 1金沢大学医学部保健学科

ページ範囲:P.1061 - P.1065

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 リハビリテーション概念の普及により,近年は安静という治療手段を考慮しながら,長期臥床による悪影響を予防するため,早期離床・歩行が推奨・実施されてきている.しかし,臨床場面では患者の状態を十分加味しながら,理学療法士の経験を基に実施している現状がある.特に廃用性筋萎縮の予防は,理学療法士として関与することが多く,その専門性発揮のためにもデータに基づいた根拠ある方法を提示していく必要がある.

 寝たきりや長期臥床でみられる廃用性筋萎縮は,廃用性症候群のひとつである.筋原性および神経原性萎縮と異なり,主原因である非荷重の対策として荷重(weight bearing)を再開することで比較的可逆性が認められる1).非荷重状態から再荷重への病理的変化については,微少重力環境からの帰還に関する分析として数多くの基礎研究が報告されている2,3).ところが,非荷重条件下における間欠的荷重に関する研究は,宇宙環境では実施困難なことから報告も少ない4).しかし,地上における理学療法では有効な治療手段であることから,われわれは臨床的に応用可能な間欠的荷重を採用し,廃用性筋萎縮の進行に及ぼす要因を動物実験で検索してきた.その結果,荷重時間5)・頻度6,7)・間隔8,9)による効果の違いが認められた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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