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1ページ講座 理学療法関連用語~正しい意味がわかりますか?
発達障害
著者: 田原弘幸1
所属機関: 1長崎大学医学部保健学科
ページ範囲:P.127 - P.127
文献購入ページに移動 発達(development)の原意は,巻物をほどいて中身をみるということである.発達とは,「①発育して完全な形態に近づくこと.②個体が時間経過に伴ってその身体的・精神的機能を変えていく過程.③成長と学習の2要因を含む」(広辞苑)とある.つまり,形態とその機能が,単純未分化な状態から形態的・機能的に分化し,複雑化し,統合化する過程である.一般に,広義の発達は,身長,体重,臓器などの形態的成熟の過程(成長)と運動,知能,情緒などの機能的成熟の過程(発達)とを含んで使用されている.したがってこのような意味における障害が発達障害であるといえる.
発達障害という用語は,developmental disability,developmental disorderの日本語訳である.一般に,心身の成長発達の過程で,個人の様々な能力に影響を及ぼすなんらかの歪みや遅れがある状態と理解されている.歴史的に,発達障害という用語は,アメリカ合衆国の「1970年発達障害法(Developmental disabilities Act of 1970)」で初めて公式に使用されている.この中で,発達障害とは,精神遅滞,脳性まひ,てんかん,その他の神経学的異常に起因する障害であり,18歳までに発生し,将来にわたって永続的であることが予想され,そのためにその個人にとって不利益をこうむるものと概念化されている.
発達障害という用語は,developmental disability,developmental disorderの日本語訳である.一般に,心身の成長発達の過程で,個人の様々な能力に影響を及ぼすなんらかの歪みや遅れがある状態と理解されている.歴史的に,発達障害という用語は,アメリカ合衆国の「1970年発達障害法(Developmental disabilities Act of 1970)」で初めて公式に使用されている.この中で,発達障害とは,精神遅滞,脳性まひ,てんかん,その他の神経学的異常に起因する障害であり,18歳までに発生し,将来にわたって永続的であることが予想され,そのためにその個人にとって不利益をこうむるものと概念化されている.
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