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文献抄録
人の歩行における重複歩の変動性:歩調と重複歩距離の影響
著者: 岡田誠1
所属機関: 1藤田保健衛生大学リハビリテーション専門学校
ページ範囲:P.150 - P.150
文献購入ページに移動 この研究の目的は,人の歩行で見られる重複歩の変動性に歩調と重複歩距離がどのような役割を果たすのかを調べることにある.8名の健常者に対して,トレッドミル上を決められた歩調,重複歩距離で歩行するように指示し,そのときの重複歩時間・距離因子の変動性について検討した.被験者には,歩調を0.08,0.89,1.00,1.14,1.26Hzの5パターン,重複歩距離を0.95,1.05,1.20,1.35,1.50mの5パターンを指定し,それぞれを組み合わせた計25施行で歩行を行わせた.なお,被験者の歩調についてはメトロノームで,重複歩距離については前方のモニターでフィードバックをしながらできるだけ指定の歩調,速度で歩行を行うようにさせた.重複歩の変動性を示す方法として,標準偏差(SD)と変動係数(CV)を使用した.また,追加検討として歩行速度を指定(0.75,0.90,1.15,1.45,1.75m/s)したときの歩調と重複歩距離の関係について検討した.
距離因子の変動では,重複歩距離が増加するにつれて変動係数の低下がみられ変動性の減少を示した.また,歩調では1Hzで歩行したときが最も変動が小さい結果となり,最も変動性の低い歩行が得られた.一方,時間因子の変動では,重複歩距離は1.35m,1.50mのときが他の重複歩距離よりも変動が小さかった.歩調においては1Hzで歩行したときが最も変動が小さい結果となった.
距離因子の変動では,重複歩距離が増加するにつれて変動係数の低下がみられ変動性の減少を示した.また,歩調では1Hzで歩行したときが最も変動が小さい結果となり,最も変動性の低い歩行が得られた.一方,時間因子の変動では,重複歩距離は1.35m,1.50mのときが他の重複歩距離よりも変動が小さかった.歩調においては1Hzで歩行したときが最も変動が小さい結果となった.
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