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特集 物理療法の鎮痛作用
電流知覚閾値を用いた疼痛評価機器の臨床応用―ニューロメーターの実際と課題
著者: 伊藤義広1
所属機関: 1広島大学病院診療支援部リハビリテーション部門
ページ範囲:P.189 - P.195
文献購入ページに移動 慢性的に痛みをもつ患者から病歴や症状を問診していると,ときに懐疑的になることがある.治療者としてなぜこのような思いにとらわれるのか考えてみると,ほかの理学的検査に比べて「痛み」が主観的情報の代表的なものであり,さらに環境や心理的要因の介入も大きいからである.実際,主訴の多くは痛みであり,いかに効果のある治療であっても患者自身が鎮痛を自覚できなければ有効な治療とはならない.しかしその評価はつまるところ患者の訴えに帰結する.国際疼痛学会(International Association for the Study of Pain:IASP)では疼痛を「組織の実質的ないし潜在的な傷害と関連した,あるいはこのような傷害と関連して述べられる不快な感覚的,情動的体験」と定義されている.つまり「痛み体験」そのものが「痛み」なのである.
疼痛刺激は受容器への侵害刺激としてはじまり知覚神経を経由して体性感覚野で認知される.知覚神経の機能は表11)のとおりAβ線維,Aδ線維,C線維に分けられている.この知覚神経の機能を日常臨床で客観的かつ簡便に評価できれば,疼痛評価としての意義は大きい.そこで本稿ではAβ線維,Aδ線維,C線維それぞれの電流知覚閾値(current perception threshold:CPT)を測定する検査とその具体的な実施例を紹介し,理学療法の疼痛評価手段としての臨床的な意義について述べる.
疼痛刺激は受容器への侵害刺激としてはじまり知覚神経を経由して体性感覚野で認知される.知覚神経の機能は表11)のとおりAβ線維,Aδ線維,C線維に分けられている.この知覚神経の機能を日常臨床で客観的かつ簡便に評価できれば,疼痛評価としての意義は大きい.そこで本稿ではAβ線維,Aδ線維,C線維それぞれの電流知覚閾値(current perception threshold:CPT)を測定する検査とその具体的な実施例を紹介し,理学療法の疼痛評価手段としての臨床的な意義について述べる.
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