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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル38巻4号

2004年04月発行

文献概要

1ページ講座 理学療法関連用語~正しい意味がわかりますか?

近赤外線分光法(光トポグラフィー)

著者: 沼田憲治1

所属機関: 1昭和大学保健医療学部

ページ範囲:P.291 - P.291

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 ヒトの脳神経活動を画像化する装置には陽電子放射断層撮影法(PET)や機能的核磁気共鳴画像(fMRI)などがある.近年,新たな脳機能計測による画像化法の1つとして近赤外線分光法(一般的に“光トポグラフィー”が用いられているが,これは日立メディコ社製品の名称である)が実用化されている.近赤外線分光法はヒトの組織に透過可能で,ヘモグロビンに特異的に吸収される波長の遠赤外線を用いることで脳神経活動を画像化する装置である.PETやfMRIでは装置内に被験者を安静にする必要があるのに対し,近赤外線分光法の大きな特徴は,例えばトレッドミル上の歩行時など頭部の動きを許容した運動中の脳活動を計測することが可能なことである.

 近赤外線分光法やPET,fMRIの装置はいずれも脳神経活動に伴う血流の変化,すなわち2次信号(神経細胞の活動に直接由来する電気的な1次信号に対しこれを2次信号という)を計測し画像化するものである.脳の局所領域が賦活すると脳血流量は20~40%増加するとされる.このとき酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの割合が変化し,吸光度などの物理的性質が変化することになる.近赤外線分光法では局所ヘモグロビンの濃度変化を連続的に計測し画像化するものである.したがって観察する信号自体の起源は還元ヘモグロビンをターゲット(BOLD現象)としたfMRIの原理と近似したものであるといえる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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