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特集 理学療法モデル
教育から見た理学療法モデルの意義と実際―「理学療法教育モデル」とその実践の歴史的変遷
著者: 嶋田智明1 有馬慶美2 武田貴好2
所属機関: 1神戸大学医学部保健学科 2山形医療技術専門学校
ページ範囲:P.384 - P.390
文献購入ページに移動わが国の「理学療法教育モデル」に求められるものとは何か
近年の生命科学と科学技術など関連領域の著しい進歩によって医学の知識・技術は量・質共に膨大なものとなり,細分化されると同時に新たな視点に立った学問領域や診療分野も生まれつつある.特にわが国では急速な経済成長と科学技術の発展に伴って社会構造と人口動態は大きく様変わりし,また少子・高齢社会の急速な到来により疾病構造が大きく変化し,その結果,脳卒中や老人性痴呆といった高齢者特有の疾病が急増している.これに伴い,寝たきり老人などの対応が大きな社会的問題となってきている.さらに経済成長は国民の疾病・健康観にも大きな影響を及ぼし,健康の維持・増進はいまや国民一人一人の大きな関心事となっている.さらに国内外では様々な大規模災害が頻発しており,災害対策は社会的重要課題の一つとなり,中でも災害直後から長期にわたる総合医療システムの構築は特に重要であり,その一翼を担う高度な知識・技術を備えた保健医療専門職の育成は急務である.
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