文献詳細
文献概要
講座 理学療法における標準(値)・1
脳血管障害の回復過程
著者: 長澤弘1
所属機関: 1神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部リハビリテーション学科
ページ範囲:P.405 - P.413
文献購入ページに移動 脳血管障害と診断された患者をみる場合,病型分類を明らかにすることが重要である.病型により治療方針が異なるからである.現在,国際的に広く用いられている脳血管障害の分類・診断基準は,米国のNational Institute of Neurological Disor-ders and Stroke(NINDS)から1990年に発表されたNINDS-Ⅲ分類1)である.これはかなり膨大であるためその一部のみを表1に示した.臨床病型,病理,危険因子と予防,臨床的アセスメント,評価,脳卒中後の患者の状態,解剖,の7大項目に分かれているが,理学療法として病型を確認するには,表1のような臨床病型での分類を考慮するのがよい.
無症候性の脳血管障害は,近年に実施されはじめた脳ドックなどで,特別な症候はないがCT(コンピュータ断層撮影)などの画像検査で指摘されるものであり,独立して挙げられている.局所性脳機能障害は,症状が24時間未満で消失してしまう一過性脳虚血発作(TIAs)と,巣症状が24時間以上続く脳卒中(stroke)とに分類される.脳卒中の病型の下位分類である脳梗塞では,機序,臨床的カテゴリ,部位による症候,と分類され,医師が急性期における血栓溶解療法や抗凝固療法などの治療法を決定する際に重要な指針になる.
無症候性の脳血管障害は,近年に実施されはじめた脳ドックなどで,特別な症候はないがCT(コンピュータ断層撮影)などの画像検査で指摘されるものであり,独立して挙げられている.局所性脳機能障害は,症状が24時間未満で消失してしまう一過性脳虚血発作(TIAs)と,巣症状が24時間以上続く脳卒中(stroke)とに分類される.脳卒中の病型の下位分類である脳梗塞では,機序,臨床的カテゴリ,部位による症候,と分類され,医師が急性期における血栓溶解療法や抗凝固療法などの治療法を決定する際に重要な指針になる.
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