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特集 移動動作(分析・介入・介助者への指導)
急・亜急性期の脳卒中片麻痺患者の移動動作
著者: 吉田剛1
所属機関: 1本島総合病院リハビリテーション科
ページ範囲:P.605 - P.612
文献購入ページに移動 近年では,脳卒中片麻痺患者に対する治療を考えるうえで,どのような環境と課題を与えるかが重要な視点になってきている.環境は,ベッド周囲の環境だけでなく,課題遂行時の条件を含む治療環境であり,また,課題は,治療になるよう工夫された,目的を理解しやすく,生活に関連した活動を段階化して利用することが多い.
移動動作は,日常生活活動において手段的動作として位置付けられ,実用レベルになるには,様々な環境下で何かをしながら歩くというような二重課題(dual task)をこなすことが求められる.最近は,街でみかける片麻痺者の歩容において,3動作パターンの分回し歩行を行っている人が以前より少なくなってきているように感じる.これは,脳血管障害に対する治療の進歩によるところもあるが,理学療法士の視点や介入ポイントが,病態の解明により妥当なものになってきているためとも考えられる.脳血管障害を発症した患者の多くは,早期から不安定感や不快,不安から生じる不適応活動や効率の悪い代償的活動に陥りやすい環境におかれる.急性期からの理学療法介入による適応的動作経験の付与は,このような患者を安全で効率的かつ実用的な活動の獲得に導くために,多大な貢献をすることができると考えられる.
移動動作は,日常生活活動において手段的動作として位置付けられ,実用レベルになるには,様々な環境下で何かをしながら歩くというような二重課題(dual task)をこなすことが求められる.最近は,街でみかける片麻痺者の歩容において,3動作パターンの分回し歩行を行っている人が以前より少なくなってきているように感じる.これは,脳血管障害に対する治療の進歩によるところもあるが,理学療法士の視点や介入ポイントが,病態の解明により妥当なものになってきているためとも考えられる.脳血管障害を発症した患者の多くは,早期から不安定感や不快,不安から生じる不適応活動や効率の悪い代償的活動に陥りやすい環境におかれる.急性期からの理学療法介入による適応的動作経験の付与は,このような患者を安全で効率的かつ実用的な活動の獲得に導くために,多大な貢献をすることができると考えられる.
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