講座 理学療法における標準(値)・4
呼吸循環機能―運動負荷時の呼吸循環反応
著者:
高橋哲也1
熊丸めぐみ1
山田宏美1
廣瀬真純1
河野裕治1
所属機関:
1群馬県立心臓血管センターリハビリテーション課
ページ範囲:P.663 - P.672
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一般的な呼吸機能検査には,スパイログラフによる肺気量分画測定やflow-volume曲線を求める努力呼出スパイロメトリー,一酸化炭素肺拡散能力の測定,など各種検査方法がある.また,循環機能の検査も,Swan-Ganzカテーテル法による心血行動態検査,冠動脈造影検査,さらには核医学的手法による心機能の評価など侵襲的なものから,一般的な心電図検査,心臓超音波検査法,脈波速度法を用いた動脈硬化診断検査など非侵襲的なものまで幅広く行われている.これらの検査のいずれもその多くは安静時の静的検査である.無論,これらの検査からは多くの情報が得られるが,理学療法では,運動時の呼吸機能や循環機能の評価がより重要なものになってくることはいうまでもない.
本講座では,運動負荷試験の種類と運動負荷試験から得られる各種呼吸循環応答指標について概説した後に,対象を心不全と呼吸不全に大別して,運動負荷時の反応パターンと理学療法の留意点について解説する.