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ひろば
精神発達遅滞児の問題行動はみな同じか?―Aberrant Behavior Checklist
著者: 上杉雅之1
所属機関: 1高槻市立療育園
ページ範囲:P.682 - P.682
文献購入ページに移動ABCは,MRの問題行動に対する薬物療法の治療効果を評価する目的でAmanらによって1986年に発案された質問紙である.質問紙の構成は,Ⅰ.攻撃性・Ⅱ.引きこもり・Ⅲ.典型的・Ⅳ.多動・Ⅴ.不適切な言語の5要因からなる.さらに5要因はⅠ.攻撃性に関しては,「自虐」「他者や他児への攻撃」「不適切な叫び声」「癇癪」などからなる14項目,Ⅱ.引きこもりに関しては,「無関心」「他者から離れようとする」「無表情」「無動」などからなる15項目,Ⅲ.典型的に関しては,「意味もなく身体をゆする」「同じ動作,奇怪な行動」「頭を前後に動かす」「頭・身体・手を繰り返し動かす」などからなる7項目,Ⅳ.多動に関しては,「過度に動く」「乱暴」「衝動的」「非協力的」などからなる16項目,Ⅴ.不適切な言語に関しては「過度にしゃべる」「話をくりかえす」「一人で高圧的にしゃべる」などからなる4項目の合計58項目で構成されている.そしてそれらの項目に対して援助者らが問題なしの(0点)から軽度の問題(1点),中等度の問題(2点),重度の問題(3点)の4段階に採点し問題行動を評価することができる.
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