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特集 運動療法の基礎
中枢神経運動麻痺に対する運動療法の基礎
著者: 潮見泰藏1
所属機関: 1国際医療福祉大学保健学部理学療法学科
ページ範囲:P.727 - P.732
文献購入ページに移動 中枢神経疾患,すなわち脳傷害後にみられる麻痺の本質は随意運動の障害である.運動麻痺とは「意志によって起こる随意運動の遂行能力が低下した状態」をいう1).運動麻痺を改善することの意味は随意性を高めることに他ならないが,中枢神経疾患に対する運動療法の目的としては,それだけでは不十分であり,機能的な側面からその関連性について考慮されなくてはならない.すなわち,運動の自由度を高め,日常生活における具体的な課題が遂行できるようになることが必要となる.
中枢神経疾患による運動麻痺に対する運動療法では,運動発達学および神経生理学を理論的背景とした治療技術(ファシリテーションテクニック)が1950年代初期からFay,Kabat,Bobath,Brunn-strom,Roodらによってそれぞれ体系化されてきた.それ以来,Vojta,Peto,中村らの手法も含め,さらに発展を遂げてきている.本稿では,随意運動の回復のための治療手技に関する基本的な考え方について述べ,その具体的アプローチの例についても触れることにする.
中枢神経疾患による運動麻痺に対する運動療法では,運動発達学および神経生理学を理論的背景とした治療技術(ファシリテーションテクニック)が1950年代初期からFay,Kabat,Bobath,Brunn-strom,Roodらによってそれぞれ体系化されてきた.それ以来,Vojta,Peto,中村らの手法も含め,さらに発展を遂げてきている.本稿では,随意運動の回復のための治療手技に関する基本的な考え方について述べ,その具体的アプローチの例についても触れることにする.
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