文献詳細
文献概要
講座 実践「臨床疫学」・1
呼吸器疾患に対する理学療法―気道クリアランス法のEBM
著者: 宮川哲夫1
所属機関: 1昭和大学保健医療学部理学療法学科
ページ範囲:P.767 - P.778
文献購入ページに移動エビデンスの強さとその意味付け
EBMとは,「個々の患者をケアする際の意志決定をその時点で得られる最善のエビデンスに基づいて行うこと」である.その手順は,疑問点をキーワードで表し,文献検索をきめ細かく行い,得られた文献の信憑性について批判的吟味を行う.そしてその文献の結論を患者に適応できるかどうかを注意深く判断する.エビデンスにはレベルがあり,症例報告,症例集積,症例対象研究,コホート研究,ランダム化比較試験(RCT),二重盲検ランダム化比較試験,メタ分析・システマティックレビューの順にレベルが高くなる.メタ分析とは分析の分析という意味であり,原著論文をまとめてオッズ比(OR)や効果量(ES)で分析し,結果のまとめは定量的である.これに対しシステマティックレビューは,明確で焦点の搾られた疑問から出発し,網羅的な情報収集から集められた情報を批判的に吟味し,それらの情報を要約しており,結果のまとめは定量的であるかは問わない.
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