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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル38巻9号

2004年09月発行

文献概要

雑誌レビュー

“Physical Therapy”(2003年度版)まとめ

著者: 小野恵子1 植木琢也1 畠中泰司2 水落和也2

所属機関: 1横浜市立脳血管医療センターリハビリテーション部 2横浜市立大学医学部附属病院リハビリテーション科

ページ範囲:P.779 - P.784

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 “Physical Therapy”2003年度83巻には,Research Report 43編,Case Report 12編,Up Date 3編,Per-spective 4編が掲載されており,Evidence Based Medi-cine・Practice(EBM・EBP)に基づいた臨床実務のための情報収集・検索方法を紹介しているEvidence in Practiceはシリーズ化され5編に増えていた.また,論文のキーワードにEBM,EBPなどの概念が含まれたものも数編あり,これらを重視した潮流がさらに印象づけられた.また,2003年7月1日よりオンライン投稿システムが開始された(既にインターネット上で1995年1月号より抄録が,1999年1月号より論文が閲覧可能となっている).このように,順次電子文書化を進めており,“Going Paperless”に向かっている(URL:www.ptjournal.org).本稿では,Research ReportおよびCase Reportから,筆者らの判断により日本理学療法士協会生涯学習システムの7専門領域部会の内容に準じて分類し,要約を紹介する.

理学療法基礎系

○上肢の体積評価の一致妥当性:周径から求める容積測定法と水置換法との比較

 Karges JR, et al:Concurrent validity of upper-extremity volume estimates:comparison of calculated volume derived from girth measurements and water dis-placement volume.(2):134-145

 四肢の体積の測定法としては,決められた部位の周径に基づいて各分節の体積を合計する方法と,水を満たした容器に測定肢を入れて溢れた水の容積を計測して求める水置換法があり,どちらも先行研究で信頼性のある評価といわれている.この研究では各測定法との間に一致性があるかを検討した.対象はリンパ浮腫のある14名の女性の両側上肢で,前述の2種類の測定法を施行し,統計はピアソン重相関係数,対応のあるt検定,一次回帰直線が用いられた.結果は,上肢から手指を除いた部分の周径から求めた測定値と水置換法との間には0.99と非常に高い相関が認められたが,各測定値間には有意差が認められた.したがって,臨床上ではどちらの計測方法でも信頼性は得られるが,各測定値に互換性はないので同一症例に対して混同して使用すべきではないと報告している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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