icon fsr

文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル38巻9号

2004年09月発行

文献概要

書評

―丸山仁司 編集―『内部障害系理学療法実践マニュアル』

著者: 黒川幸雄1

所属機関: 1新潟医療福祉大学

ページ範囲:P.764 - P.764

文献購入ページに移動
内部障害との関係は古くて新しい

 本書の有用性を説明する前に,リハビリテーションや理学療法との関係で,内部疾患とそれによる内部障害の位置付けが,どのように変化してきたかを概括してみる.

 編者の丸山仁司氏が,序文にも挙げられた循環器疾患,呼吸器疾患,代謝疾患,腎臓疾患,膀胱直腸障害,消化器疾患,悪性新生物(癌含む),その他の疾患によるところの機能障害・能力障害・社会的不利の発生に対するリハビリテーション医療,理学療法の役割は,昭和40年代のリハビリテーションや理学療法の草創期から気付かれていたことである.とりわけ呼吸器疾患(結核,肺炎など)に対しては,肺理学療法,呼吸理学療法(リハビリテーション)などとして,成書ともなり,親しまれてきたものである.心疾患への関心は,1985年以降脳卒中を追い越し,死亡原因順位が第2位になる頃より関心が高くなってきている.最近は,とみに生活の欧米化により糖尿病・肥満・高血圧などを筆頭に生活習慣病が蔓延しはじめ,この分野での理学療法の活躍が待たれるところであるが,診療報酬上の担保がないと,医療機関としても理学療法を使うようになれないのが問題である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?