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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル39巻1号

2005年01月発行

文献概要

報告

徒手筋力テストに関するアンケート調査―全国の現職理学療法士を対象として

著者: 吉村茂和1 相馬正之1 宮崎純弥1 林陽子1 鮫島菜穂子2 阿部吉晴3 本田哲三1 服部博之1

所属機関: 1東京都リハビリテーション病院 2川口工業総合病院 3若柳町国民健康保険病院

ページ範囲:P.87 - P.92

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徒手筋力テスト(manual muscle test;MMT)は,1921年にLovettが創設して以来,臨床的な筋力の測定方法として受け継がれ,現在まで第7版の改訂版が発刊されており1),理学療法分野をはじめ整形外科・リハビリテーション科などで診断,治療方針や効果判定などに威力を発揮している2).しかも,筋力を評価することは,患者の機能障害(impairment),活動制限(activity limitation)および参加制約(participation restriction)の把握を含め,生活機能の予測も可能である.そのため,理学療法においても筋力評価の一翼を担うMMTは,臨床・教育・研究の各分野で広く使用されていることは想像にかたくない.しかし,MMTは重力の利用,徒手抵抗の強弱の概念に基づき,検査者・被検者の年齢・性別・体格・職業などを考慮して筋力を推測するという手法を取り入れているため,MMTの3+以上の段階付けが曖昧となったり,段階付けを誤らせやすい要因となることがこれまで多数報告されている3~10).しかしこれらの報告は,理学療法士個人の研究や小規模なアンケート調査に基づいた検討が多いため,全国の理学療法士がMMTについてどのように考えているかなどの調査はほとんどなく,理学療法士として検証することが求められている.

 本研究の目的は,アンケート手法に基づき,全国の現職理学療法士が四肢・体幹のMMTにおける第5版までと第5版以降の3+以上の段階付け,MMTの具体的利用,信頼性,将来性およびMMT全般についてそれらをどのように考えているかなどを検証することである.

参考文献

1)Hislop HJ, et al:Muscle Testing. 7th ed.(津山直一/訳:新・徒手筋力検査法,協同医書出版社,2003)
2)吉村茂和,他:講座/理学療法における標準(値)・2:下肢筋力.PTジャーナル32:607-614,1998
3)田村美枝子:徒手筋力検査の問題点を考える.理・作・療法8:163-171,1974
4)渡辺英夫:徒手筋力テストの諸問題.総合リハ3:619-627,1975
5)中山彰一:徒手筋力テストの信頼性について.理・作・療法13:87-91,1979
6)緒方 甫:リハビリテーション診断学の実際 2.筋力テスト.臨床医6:1357-1359,1980
7)高橋精一郎:評価シンポジウム:徒手筋力テストを考える.理学療法学12:142-143,1985
8)鶴見隆正:講座/理学療法評価・2:筋力の評価.PTジャーナル23:107-114,1989
9)田中宏太佳:徒手筋力テストの方法と注意点.総合リハ22:191-195,1994
10)吉村茂和,他:徒手筋力テストにおける段階付け.PTジャーナル37:347-349,2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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