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1ページ講座 理学療法関連用語~正しい意味がわかりますか?
トレンデレンブルク徴候
著者: 対馬栄輝1
所属機関: 1弘前大学医学部保健学科
ページ範囲:P.887 - P.887
文献購入ページに移動◎トレンデレンブルク徴候とは
トレンデレンブルク徴候(Trendelenburg sigh)とは「種々の股関節疾患に伴ってみられる理学所見で,患側で片脚起立すると健側の骨盤が患側より下がる症状」と定義1)される.トレンデレンブルクは,この現象が股関節外転筋の機能不全を伴う先天性股関節脱臼症例で観察されることを報告した2).トレンデレンブルクよりも以前の1869年にデュシェンヌ(Duchenne)は,股関節外転筋群の麻痺が原因となって,片脚立位時に患側への体幹傾斜と骨盤の傾斜が起こる現象(デュシェンヌ現象)を報告している3).トレンデレンブルク徴候は股関節疾患に観察され,デュシェンヌ現象は神経麻痺性の疾患に観察されると報告された点が異なるだけで,現象そのものは,ほとんど同一である.
現在,この2つの現象は,次のように区別されている(図).トレンデレンブルク徴候陽性の場合は,外転筋力の機能不全が存在する下肢で片脚立位となったときに,遊脚側下肢の重量に抗せずに遊脚側の骨盤が墜下する.また,遊脚側への体幹傾斜がみられる場合もある(図b).デュシェンヌ現象陽性の場合は外転筋力の低下している下肢で片脚立位となった時に立脚側へ体幹が側屈し,かつ骨盤傾斜も起こる(図c).
トレンデレンブルク徴候(Trendelenburg sigh)とは「種々の股関節疾患に伴ってみられる理学所見で,患側で片脚起立すると健側の骨盤が患側より下がる症状」と定義1)される.トレンデレンブルクは,この現象が股関節外転筋の機能不全を伴う先天性股関節脱臼症例で観察されることを報告した2).トレンデレンブルクよりも以前の1869年にデュシェンヌ(Duchenne)は,股関節外転筋群の麻痺が原因となって,片脚立位時に患側への体幹傾斜と骨盤の傾斜が起こる現象(デュシェンヌ現象)を報告している3).トレンデレンブルク徴候は股関節疾患に観察され,デュシェンヌ現象は神経麻痺性の疾患に観察されると報告された点が異なるだけで,現象そのものは,ほとんど同一である.
現在,この2つの現象は,次のように区別されている(図).トレンデレンブルク徴候陽性の場合は,外転筋力の機能不全が存在する下肢で片脚立位となったときに,遊脚側下肢の重量に抗せずに遊脚側の骨盤が墜下する.また,遊脚側への体幹傾斜がみられる場合もある(図b).デュシェンヌ現象陽性の場合は外転筋力の低下している下肢で片脚立位となった時に立脚側へ体幹が側屈し,かつ骨盤傾斜も起こる(図c).
参考文献
1)ステッドマン医学大辞典編集委員会(編):ステッドマン医学大辞典改訂第5版,メジカルビュー,2002
2)Trendelenburg F:Ueber den Gang bei angeborener Huftgelenksluxation. Dtsch Med Wochenschr 21:21-24, 1895
3)Ducroquet R, et al:歩行と跛行(鈴木良平訳),医歯薬出版,1973
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