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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル39巻10号

2005年10月発行

文献概要

入門講座 ICFに基づく評価と記録・2

ICFに基づく評価の進め方と記録

著者: 宮崎哲哉1

所属機関: 1聖隷三方原病院

ページ範囲:P.891 - P.897

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はじめに―ICIDHからICFへ

 1980年にWHO(世界保健機関)が「国際障害分類試案」(ICIDH:international classification of impairments, disabilities and handicaps)を作製・出版して以来,その概念はリハビリテーションの世界において広く普及し,障害の理解も深めることとなった.しかしその単一方向的な概念は様々な面で批判的意見を受けるようになり,2001年5月に,「生活機能・障害・健康の国際分類」(ICF:international classification functioning, disability and health)1)が承認されるに至った.しかし本当にICIDHによる障害の捉え方と,ICFによる考え方の間において大きな変化があったのであろうか.われわれはICIDHを用いながらも,単一方向的にのみ障害を分析してきたわけではなく,すでに双方向の影響性を考慮した形へとICIDHの概念を発展させ,評価・治療に取り組んできた(図1).ただし医学的モデルを出発点として社会モデルを指向していたICIDHにおいては,自ずと限界が見えていたのも事実である2).ICIDHの限界点を補充する最終発展型として捉えれば,ICFは理解しやすい.本稿ではそのような視点において,ICFに基づく評価の考え方と記録に関し,臨床上どのように考えるべきかについて述べる.

参考文献

1)世界保健機関(WHO):ICF国際生活機能分類―国際障害分類改訂版.中央法規,2002
2)上田 敏:ICFの基本的な考え方―生活機能(プラス面)の重視と階層論的理解を中心に.PTジャーナル36:271-275,2002
3)江西一成:片麻痺の評価.吉尾雅春,他(編):理学療法MOOK2脳損傷の理学療法2―回復期から維持期のリハビリテーション,pp32-42,三輪書店,2005
4)佐藤久夫:ICFと今後の障害評価.総合リハ30:983-986,2002
5)和島英明:理学療法のための臨床問題解決法―ブレイクスルーと理学療法診断に向けて.協同医書出版社,1997
6)杉原俊一:早期離床を目的とした理学療法の実際.吉尾雅春,他(編):理学療法MOOK1脳損傷の理学療法1―超早期から急性期のリハビリテーション,pp80-87,三輪書店,2005
7)岩谷 力:整形外科リハビリテーションにおける最近の動向.関節外科22:6-14,2003
8)大川弥生:WHO国際障害分類を障害者のための臨床現場にどういかすか,1)身体障害者リハビリテーションの立場から.PTジャーナル36:21-26,2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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