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脳性麻痺児の障害理解に向けた啓発活動の経験
著者: 米津亮1 鶴見隆正1
所属機関: 1神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部リハビリテーション学科理学療法学専攻
ページ範囲:P.927 - P.930
文献購入ページに移動近年の保健・医療・福祉は生活支援という側面を重要視している.2001年に世界保健機関(WHO)が定めた国際生活機能分類(ICF:International Classfication of Functioning Disability and Health)1)もその1つである.脳性麻痺を主とした小児理学療法領域でも機能障害中心型療育から家族中心型療育が提唱され2),生活支援を重視した方向性に変換しつつある.
小児理学療法領域での生活支援の視点に沿った理学療法アプローチに関する報告3~5)は散見される程度であるが,障害をもつ児を取り巻く生活環境下での相互交流が十分になしえていないことが指摘されている.児が日中の大部分を過ごす就学という社会参加の場面において,級友・教師ら周囲の人々は児の運動機能・ADL・行動等に理解ができず,どのように関わり支えたらよいのか戸惑っており,児を含めた社会活動(activity)・参加(participation)が活発化されない要因となっている.児の統合教育・ノーマライゼーションという環境をより具現化するためには,理学療法士をはじめとする専門職が積極的に教育の場や地域理解に関わりを持ち,児を含めた級友・教師に共通理解を深める支援が不可欠で,そのことにより社会活動・参加が高まると考えている.
小児理学療法領域での生活支援の視点に沿った理学療法アプローチに関する報告3~5)は散見される程度であるが,障害をもつ児を取り巻く生活環境下での相互交流が十分になしえていないことが指摘されている.児が日中の大部分を過ごす就学という社会参加の場面において,級友・教師ら周囲の人々は児の運動機能・ADL・行動等に理解ができず,どのように関わり支えたらよいのか戸惑っており,児を含めた社会活動(activity)・参加(participation)が活発化されない要因となっている.児の統合教育・ノーマライゼーションという環境をより具現化するためには,理学療法士をはじめとする専門職が積極的に教育の場や地域理解に関わりを持ち,児を含めた級友・教師に共通理解を深める支援が不可欠で,そのことにより社会活動・参加が高まると考えている.
参考文献
1)WHO(厚生労働省・訳):国際生活機能分類―国際障害分類改訂版―,中央法規,pp3-23,2003
2)今川忠男:発達障害児の新しい療育,三輪書店,pp2-25,2000
3)横山恵理,他:障害をもつ子どもの学校生活自立を考えた理学療法.理学療法研究21:19-23,2004
4)川原田里美,他:障害をもつ子どもの学校生活支援.理学療法研究20:27-30,2003
5)米津 亮,他:理学療法士による小学生を対象にした障害像理解のための介入経験.神奈川県立保健福祉大学誌2:33-39,2005
6)鶴見隆正:医療最前線における理学療法士の役割.理学療法学16:429-433,1989
7)鶴見隆正,大渕修一(編集):健康増進と介護予防,三輪書店,pp70-77,2004
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