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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル39巻11号

2005年11月発行

文献概要

特集 精神障害者の理学療法

精神障害に身体障害などを合併した患者への理学療法アプローチ

著者: 大月満里1 小林量作2 高橋智子3

所属機関: 1聖峰会佐藤病院リハビリテーション科 2新潟医療福祉大学理学療法学科 3聖峰会佐藤病院精神科

ページ範囲:P.961 - P.969

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はじめに

 日常の行動を起こすにあたっては,何かをしようとする「意志」が存在し1),その「意志」を遂行するための身体機能が必要となる.精神に障害があると意欲や自発性の低下,自分をとりまく環境を適切に把握できず,「意志」を発現することが困難となる.身体に障害があると「意志」を遂行するための運動機能が障害される.そのため身体障害だけでなく精神障害を重複した場合,理学療法士も精神障害に専門的に関わっていく必要がある.しかし,精神障害を合併していない場合と比べて,接し方が難しく,注意力や自発性などに問題があるため,日常生活での改善に結びつかないことも多い.

 本稿では精神障害に身体障害を合併した患者に理学療法士が関わる場合,どのような点に留意して疾患・障害を捉えればよいのか,経験に基づいて述べる.

参考文献

1)Helen L. Hopkins Helen D. Smith(編):改訂第5版作業療法第Ⅱ巻,pp46-52,協同医書出版社,1984
2)高橋文夫,他:精神障害を有する脳卒中患者の理学療法,PTジャーナル27:456-461,1993
3)三木 晃:自殺企図のあった患者の理学療法―分裂病患者を中心に―.PTジャーナル34:389-394,2000
4)丸山仁司(編):系統理学療法,学神経障害系理学療法学,pp173-189,医歯薬出版,2005
5)坂本周介:精神障害をもつ脳卒中片麻痺の理学療法.PTジャーナル34:383-388,2000
6)山根 寛:精神障害と作業療法第2版,pp1-25,pp155-183,三輪書店,2003
7)加藤伸勝:小精神医学書第3版,pp29-188,金芳堂,1987
8)加藤伸勝:精神医学,pp11-223,金芳堂,1992
9)重岡美佐江:いわゆる「精神障害者」の筋力測定における問題点―握力測定を通して―.理学療法学19:12-17,1992
10)上島国利(監修):向精神薬の副作用―症状と対策―,pp1-57,吉富薬品,2001
11)松井紀和(編著):精神科作業療法の手引き―診断から治療まで―,pp32-39,pp71-76,牧野出版,1988

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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