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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル39巻11号

2005年11月発行

文献概要

報告

学齢脳性麻痺児母親における腰痛発生要因の検討

著者: 白坂史樹1 新田收2

所属機関: 1東京都立豊島病院 2東京都立保健科学大学

ページ範囲:P.1015 - P.1018

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近年周産期医療の発達により出生時死亡率が低下しているが,その一方で障害を有する場合,障害の重度化が指摘されている1,2).子供が心身に何らかの障害を有する場合,母親の負担は非常に大きなものとなり,介護者の負担が限度を超え大きい場合は健康を損ね,家庭での介護継続が困難となる場合も多い.特に介護者の腰痛発症率が高いことは諸家により報告されている.腰痛は,介護動作時に頻発し,症状自体も慢性化しやすく介護疲労感を増加させる一因といえる.

 介護負担に関する研究は近年報告されているが,これらは高齢者介護を対象としたものが多く3,4),在宅介護者を対象にした研究は少ない.一方,障害児介護における研究5~8)もみられるが分析対象が学校教員を対象とし,腰痛の介護と腰痛発症の発生率についての報告にとどまっている9)

参考文献

1)奥村知子:脳性麻痺の発症要因と新生児医療.脳と発達25:532-536,1993
2)石井 要:就学前の在宅重心障害児の養育状況.重症心身障害研究会誌117:34-38,1992
3)上田真智子,他:在宅療養中の患児をもつ母親の精神的負担について考える.小児科診療3:421-425,1998
4)Zarit SH, et al:Relatives of the impaired elderly correlates of feelings of burden. Gerontologist 20:649-655, 1980
5)北川かほる:要介護障害児をもつ母親のQOLに関する検討.鳥取短期大学紀要32:47-50,2000
6)小瀬奈緒美,他:保健医療従事者の腰痛について.日災医会誌47:114-120,1999
7)天利紀子:介護者における腰部自覚痛と圧痛の解析.産業衛生学雑誌41:166-173,1991
8)垰田和史,他:障害児学校教員の健康・腰痛の実態.労働科学73:1-22,1997
9)里宇明元:介護負担感の概念と研究の動向.臨床リハ10:859-867,2001
10)住田幹男:特別養護老人施設における介護職の腰痛対策について.日職災害医誌49:355-360,2001
11)豊永敏宏,他:腰痛の発生と予防に関する運動学的研究.日災医会誌46:142-150,1998

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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