icon fsr

文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル39巻2号

2005年02月発行

文献概要

特集 実践能力を高めるカリキュラム

理学療法学教育における実践能力を高めるカリキュラム

著者: 内山靖1 山路雄彦1

所属機関: 1群馬大学医学部保健学科

ページ範囲:P.119 - P.129

文献購入ページに移動
わが国の医療体系の中に理学療法が明確に位置づけられて,40年が過ぎようとしている.長い医療の歴史の過程で理学療法が誕生し急速に浸透・発展している背景には幾つかの要素があるが,対象者のニーズに沿った実践能力が社会の需要に合致している点が大きい.理学療法士は,専門職として実践活動を客観的に示すための基盤作りに努め,理学療法学の確立に努力している.同時に,個々の対象者のニーズに沿うような個別性の高い効果的な実践活動を一瞬たりとも怠ったことはないはずである.

 それにもかかわらず,卒前・卒後教育において実践能力に対する一層の改善を模索する必要があるとする意見が,理学療法士の中で高まっていることも確かである.自らに対する内省と後輩あるいは先輩に対する真摯な意見交換や提言は専門職として不可欠な要素であり,叡智を結集してよりよいものへ発展していくことは健全な姿勢といえよう.

参考文献

1)内山 靖:大綱化に伴う教育施設の現状と臨床実習,第21回臨床実習指導者研修会(平成12年度教育研究会)資料,2000
2)後藤由夫:医学教育.医学と医療―総括と展望,pp135-156,文光堂,1999
3)吉田一郎,大西弘高:実践PBLテュートリアルガイド,南山堂,2004,e-f.
4)伴信太郎:基本的臨床技能の学び方.日本医学教育学会/臨床能力ワーキンググループ(編):基本的臨床技能の学びかた・教え方,pp1-5,南山堂,2002
5)平山朝子,他:看護実践能力育成の充実に向けた大学卒業時の到達目標.看護学教育の在り方に関する検討会報告書,pp1-39,2004
ed), Butterworth-Heinemann, 1990
7)堀 薫夫:アンドラゴジーと人間能力開発論.日本社会教育学会(編):成人の学習,pp19-31,東洋館出版社,2004
8)Johnson DW, et al:Cooperation and competition:Theory and teach, Interaction Book Company, 1989
9)Gabbert B, et al:Cooperative learning, group-to-individual transfer, process gain and the acquisition of cognitive reasoning strategies. J Phychol 120:265-278, 1986
10)Skon L, et al:Cooperative peer interaction versus individual competition and individualistic efforts on the acquisition of cognitive reasoning strategies. J Educ Psychol 73:83-92, 1981
11)Knowles MS:The making of an adult Educator, Jossey-Bass, 1989
12)Shön DA:Educating the reflective practitioner:Toward a new design for teaching and learning in the professions, Jossey-Bass, 1987
13)永井健夫:成人学習理論としての省察的学習論の意義について.日本社会教育学会(編):成人の学習,pp32-44,東洋館出版社,2004
14)Kitchener KS:Cognition, metacognition, and epistemic cognition:A three-level model of cognitive processing. Human development 26:228-230, 1983
ed), Prentice Hall, 1994
16)坂野雄二,前田基成(編著):セルフ・エフィカシーの心理学,北大路書房,2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?