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講座 コミュニケーションスキル・2
言語障害を有する対象者とのコミュニケーション・スキル
著者: 鈴木淳
所属機関:
ページ範囲:P.179 - P.184
文献購入ページに移動本稿の目的は,臨床場面においてセラピストが言語障害者とコミュニケーションを図ろうとする際のヒントをできるだけ具体的に考えていくことにある.
人間にとって日常的な営みであるコミュニケーションでは,個々の状況においてそれがうまく図れた,あるいはうまく図れなかったといった,「コミュニケーションの結果」が注目されやすい.そのため,うまくいくようにするためのマニュアルがあって,それらを事前に「覚えて」から「使う」ことによって,好ましい「結果」を得ることができるのではないか,と考える傾向につながっているのかもしれない.
人間にとって日常的な営みであるコミュニケーションでは,個々の状況においてそれがうまく図れた,あるいはうまく図れなかったといった,「コミュニケーションの結果」が注目されやすい.そのため,うまくいくようにするためのマニュアルがあって,それらを事前に「覚えて」から「使う」ことによって,好ましい「結果」を得ることができるのではないか,と考える傾向につながっているのかもしれない.
参考文献
1)鈴木 淳:失語症言語治療場面における言語学的問題;失語症者―言語聴覚士間のコミュニケーションに関する臨床研究.新潟大学大学院修士論文,2000
2)Ruesch J, Bateson G:Communication;The Social Matrix of Psychiatry, W W Norton, 1968(佐藤悦子,ロバート・ボスバーグ/訳:コミュニケーション;精神医学の社会的マトリックス,思索社,1986)
3)Watzlawick P, et al:Pragmatics of Human Communication;A Study of Interactional Patterns, Pathologies, and Paradoxes, W W Norton, 1967(山本和郎/監訳,尾川丈一/訳:人間コミュニケーションの語用論;相互作用パターン,病理とパラドックスの研究,二瓶社,1998)
4)鈴木 淳:言語―行為―行動の臨床意味論.聴能言語学研究10:79-85,1993
5)鈴木 淳:失語症.狩野力八郎:監修患者理解のための心理学用語,pp146-149,文化放送ブレーン,1997
6)Lafond D, et al(eds):Living with Aphasia;Psychosocial Issues, Singular, 1983
7)Parr S, Byng S:Talking about Aphasia, Open University Press, 1997(遠藤尚志/訳:失語症をもって生きる;イギリスの脳卒中体験者50人の証言,筒井書房,1998)
8)鈴木 淳:重度失語症者言語臨床の<情緒>重視モデル.第16回日本聴能言語学会発表演題,1990
9)地域ST連絡会失語症会話パートナー養成部会(編):失語症の人と話そう;失語症の理解と豊かなコミュニケーションのために,中央法規,2004
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