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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル39巻3号

2005年03月発行

文献概要

報告

歩行時における最小拇趾・床間距離の各年代のばらつきについて

著者: 相馬正之1 吉村茂和1 宮崎純弥1 山口和之2 舟見敬成2

所属機関: 1東京都リハビリテーション病院理学療法科 2脳神経疾患研究所附属総合南東北病院リハビリテーションセンター

ページ範囲:P.278 - P.282

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高齢者の転倒は,身体的な損傷を引き起こすと同時に,再転倒に対する恐怖心から活動の制限や歩行の不安定性を助長してリハビリテーション期間を延長させる原因の一つとなっている.高齢者における転倒は,発生率が17.7~19.8%であり,その多くが歩行中に起こり,転倒の原因がつまずきであることも多い1,2).つまずきについては,突出した障害物につまずく外的要因と平地歩行中に起こる内的要因のいずれかが推測される.

 つまずきの要因の一つであると考えられる歩行中における最小足尖・床間距離の報告は,1~3.2cmの範囲にあり足尖部の挙上が低い値を示すことで一致し3~5),さらに西澤らが,最小足尖・床間距離に加齢の影響がなかったと報告している6).しかし,最小足尖・床間距離に加齢の影響が認められないにもかかわらず,高齢者の転倒事故が多くなることについては,いまだ明らかになっていない.高齢者の転倒予測因子は,これまで最大歩行速度や歩幅などの量的な加齢変化とされてきた7,8).しかし,現在では,重復歩間のばらつき9)や重復歩間時間のばらつき10)のような質的な加齢変化と転倒との関連を示唆する報告が散見される.このように,転倒予測因子を質的な加齢変化とすれば,加齢の影響が認められない最小足尖・床間距離についても再検討する必要があると考えられる.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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