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特集 回復期リハビリテーション病棟における理学療法
回復期リハビリテーション病棟におけるADLへの取り組み
著者: 辛嶋美佳1 佐藤浩二1 衛藤宏1
所属機関: 1湯布院厚生年金病院リハビリテーション科
ページ範囲:P.399 - P.406
文献購入ページに移動回復期リハ病棟の目的は周知の通り,ADL能力の向上による廃用予防と家庭復帰促進である.この目的達成のためには,退院後の「するADL(活動)」を見据えてチームでリハ計画を立て,集中的にADL能力の向上に向け,実際の生活の場である病棟にて理学療法士(以下,PT)や作業療法士(以下,OT)が活動向上訓練を行い「できるADL」を伸ばし,看護師等が「しているADL」として定着させるという協業体制が求められている.このようなリハサービスは,従来の基底還元論的治療訓練3~6)偏重の思考を改め,目標指向的アプローチ3,6~11)を推進し,できる限り短期間で在宅生活へつなぐための効果的な手法であるとともに,これがICFで示される「活動」や「参加」を重視した自立支援のあり方に他ならない.さらには,診療報酬改定で示された「実用的な日常生活における諸活動の実現を目的として行われるもの」を意味すると考える.この一連の流れから,われわれPTはリハ医療におけるこれまでの取り組みを振り返り,今後のあるべき姿を創造していかなければならない重要な時期にあると認識する.本稿では,このような認識に立って当院回復期リハ病棟におけるPTの具体的な取り組みについて紹介する.
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