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講座 病態運動学―変形・拘縮とADL・2
下肢の変形性関節症の変形・拘縮とADL
著者: 石井慎一郎1
所属機関: 1神奈川県立保健福祉大学リハビリテーション学科
ページ範囲:P.447 - P.457
文献購入ページに移動下肢関節における変形性関節症の発症には,関節の異常可動性と荷重応力の集中化が密接に関与している.関節症変化が進行すると関節の不適合性や関節裂隙の狭小化といった病態が出現し,関節の可動域は著しく制限を受けるようになる.変形性関節症において関節可動域制限は,ほぼ全例に認められる主症状であり,症例の日常生活活動を障害する因子となる.
一方で,関節可動域制限は日常生活活動を著しく制限するばかりではなく,関節面への荷重応力の集中化を招き,さらに関節症変化を助長するといった悪循環を形成する因子としても見逃せない側面を有している.よって,関節可動域制限に対するアプローチは関節症変化を防止する観点からも理学療法における重要課題と言える.
一方で,関節可動域制限は日常生活活動を著しく制限するばかりではなく,関節面への荷重応力の集中化を招き,さらに関節症変化を助長するといった悪循環を形成する因子としても見逃せない側面を有している.よって,関節可動域制限に対するアプローチは関節症変化を防止する観点からも理学療法における重要課題と言える.
参考文献
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