理学療法ジャーナル39巻5号

2005年05月発行

報告

保存療法における棘上筋損傷に対する理学療法効果―棘下筋活性化運動に対するシングルケーススタディーによる検証

著者： 山岸茂則¹ 池内健¹ 竹前秀一¹ 畑山香¹ 若宮一宏² 町田孝文³ 秋田哲⁴

所属機関： ¹飯山赤十字病院リハビリテーション科部 ²飯山赤十字病院整形外科 ³飯山赤十字病院検査部 ⁴東京衛生学園専門学校リハビリテーション学科

ページ範囲：P.459 - P.463

肩腱板損傷後の保存療法の有効性に関しては諸家の報告^1～9）があるが，おおむね有効であるという見解は一致している．平野ら^2）は，中・長期的経過についても良好であると報告している．

　保存療法の予後に影響する因子については，初診時外旋可動域^4）・棘下筋腱断裂の程度^4）・棘下筋筋力^10）・完全断裂群における断裂長径^5）・年齢^10）・職業^11,12）などが報告されている．しかし，保存療法の介入に対して科学的に検討した研究は非常に少なく，さらに保存療法における理学療法の介入方法について検討した報告も少ない．

参考文献

1）平野真子，他：腱板断裂非手術例の予後調査．整形外科と災害外科39：1001-1004，1991

2）平野真子，他：腱板断裂保存療法の中長期的成績．整形外科と災害外科44：589-592，1995

3）肱岡昭彦，他：肩回旋筋腱板完全断裂の非観血的治療成績．整形外科と災害外科42：699-702，1999

4）皆川洋至，他：腱板断裂の保存療法．リウマチ科25：494-500，2001

5）寺戸一成：肩腱板断裂に対する保存治療の検討．肩関節23：397-400，1999

6）Bokor DJ, et al：Results of nonoperative management of full-thickness tears of the rotator cuff. Clin Orthop 294：103-110, 1993

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9）田畑四郎：腱板断裂の保存療法と長期成績．日整会誌70（3）：514，1996

10）山岸茂則，他：肩腱板損傷の保存療法―転帰を左右する因子の検討―．理学療法学30（2）：25，2003

11）平野真子，他：腱板断裂非手術例の長期経過．整形外科と災害外科48：158-161，1999

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13）山口光國，他：肩関節．山崎　勉（編）：Cuff-Y exercise．整形外科理学療法の理論と技術，pp202-251，メジカルビュー社，1997

14）山岸茂則，他：肩腱板広範囲断裂形成術後の理学療法―Patte法術後2症例における検討．PTジャーナル37：608-611，2003

15）橋本　淳，他：腱板断裂．肩診療マニュアル第3版，p108，医歯薬出版，2004