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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル39巻6号

2005年06月発行

文献概要

特集 介護老人保健施設における理学療法の課題

介護老人保健施設の課題と展望

著者: 香川幸次郎1

所属機関: 1岡山県立大学保健福祉学部

ページ範囲:P.475 - P.483

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昭和60年,中間施設に関する懇談会が提示した中間施設のあり方に関する意見1)から早20年の歳月が過ぎた.昭和61年の老人保健法の改正に伴う老人保健施設の創設,ゴールドプランやゴールドプラン21に基づく施設の整備,そして介護保険法の制定・施行と,老人保健施設をめぐる状況は大きく変化してきた.老人保健施設が掲げる自立支援と在宅復帰を目指す理念は堅持されているものの,要介護度の悪化や在宅復帰の困難さなど,当初考えられた医療機関と在宅の橋渡しとしての機能は十分に果たされていない現状にある.

 他方,リハビリテーション医療が急性期,回復期そして維持期リハビリテーションと整理され,高齢者リハビリテーション研究会の報告書2)では,維持期リハビリテーションの中核施設として老人保健施設が位置づけられている.同時に維持期リハビリテーションは地域リハビリテーションに包含される3)など,新たな老人保健施設のあり方が希求されている.

参考文献

1)中間施設に関する懇談会:要介護老人対策の基本的考え方といわゆる中間施設のあり方について,1985年8月
2)高齢者リハビリテーション研究会:高齢者リハビリテーションのあるべき方向,2004年1月
3)日本公衆衛生協会:平成9年度維持期におけるリハビリテーションのあり方に関する検討委員会報告書概要,1998
4)老人保健審議会:老人保健施設の在り方について(意見具申),1991年7月
5)高齢者介護・自立支援システム研究会:新たな高齢者介護システムの構築を目指して,1994年12月
6)全国老人保健施設協会:介護老人保健施設の理念と役割,http://www.roken.or.jp/generalize/function.htm
7)厚生労働省大臣官房統計情報部:平成15年度介護サービス施設・事業所調査結果概要,http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/service03/tyousa.html
8)山永裕明,他:介護保険下の脳卒中維持期リハビリテーション.Jpn J Rehabil Med 42:58-71,2005
9)山本信行,他:老人保健施設で回復期リハビリテーション,都板橋ナーシングホームでの実状.東京都老年学会誌9:129-132,2002
10)井上由起子,他:在宅支援機能からみた老人保健施設の在り方に関する考察―「往復型老人保健施設」の利用特性を通して―.病院管理38:25-35,2001
11)小澤 勲:痴呆老人からみた世界,岩崎学術出版,2000
12)竹中星郎:明解痴呆学,高齢者の理解とケアの実際,日本看護協会出版会,2004
13)竹内孝仁:介護基礎学,医歯薬出版,2001
14)江波綾子,他:ショートステイを利用する痴呆性老人の施設入所時の適応.日本看護学会論文集30回老人看護:3-5,2000
15)西浦公朗:大都市近郊にある老人保健施設入所者の家庭復帰に関連する要因について.日本老年医学会雑誌36:479-488,1999
16)野中一成,他:介護老人保健施設における退所可否に関する基礎的検討.東北理学療法学14:19-22,2002
17)木村裕美,他:介護老人保健施設入所者の在宅介護の潜在的問題点.保健の科学12:941-947,2002
18)諏訪さゆり,他:痴呆性老人の家族看護の発展過程.看護研究29:31-42,1996
19)笹森貞子:痴呆性老人を抱える介護者の心理.加藤伸司(編):痴呆性老人の心理学,pp180-199,中央法規,1994
20)島田裕之:長期ケア施設の理学療法―介護老人保健施設における機能評価と転倒予防の方法―.理学療法科学17:141-148,2002
21)島田裕之:老人保健施設におけるCVA患者の理学療法.理学療法科学19:19-25,2004
22)神谷かよ,他:虚弱高齢者に対する包括的高齢者運動トレーニング(Comprehensive Geriatric Training)の持続効果.北里理学療法学6:49-52,2003
23)本田知久,他:介護老人保健施設におけるパワーリハビリテーションの取り組み.東北理学療法学15:19-25,2003
24)中村岳雪,他:介護老人保健施設における理学療法のあり方.理学療法17:1003-1008,2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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