理学療法ジャーナル39巻7号

2005年07月発行

特集 介護予防動向―理学療法士はどうかかわるのか

ヘルスプロモーションと介護予防―積雪寒冷地における転倒予防の推進を中心に

著者： 盛雅彦¹ 鈴木英樹¹

所属機関： ¹札幌市身体障害者福祉センター・札幌市身体障害者更生相談所

ページ範囲：P.581 - P.586

ヘルスプロモーションと介護予防事業について

　ヘルスプロモーションとは，一言でいうと「健康づくり」となるのであろうが，その定義は1986年，WHOのオタワ憲章において「人々が自らの健康（健康の決定因子）をコントロールし，改善できるようにするプロセスである」とされ，そのための活動方法として，公共政策に健康の視点を追加することなどが挙げられている．

　これを受けた健康日本21では，かつての成人病の早期発見，早期治療を重視した二次予防中心の政策から，それ以前の生活習慣を見直して，環境改善などによって発生そのものを予防するという一次予防に重点を置くこととなり，その中心は健常者や若年層へと移った．

参考文献

1）財団法人厚生統計協会：国民衛生の動向・厚生の指標　臨時増刊，第51巻第9号　通巻800号，pp104-105，2004年8月31日

2）介護予防・地域支え合い事業の実施について（老発第0809001号平成16年8月9日厚生労働省老健局長通知）

3）東京都の「高齢者の事故防止マニュアル」のホームページ：http：//www.anzen.metro.tokyo.jp/senior_road_abstruct.html

4）Vetter NJ, et al：Can health visitors prevent fractures in elderly people?BMJ, 304：888-890, 1992

5）inetti ME, et al：A multifactorialintervention to reduce risks of falls among elderly people living in the community. N Eng J Med, 331：821-827, 1994

6）山田ゆかり，他：高齢者のための予防訪問マニュアル～予防版MDS-HCを用いて～，医学書院，2004

7）障害者福祉研究会編：ICF国際生活機能分類～国際障害分類改訂版～，中央法規，2002