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文献概要
理学療法の現場から
Patient Educationできますか?
著者: 菅原慶勇1
所属機関: 1市立秋田総合病院
ページ範囲:P.618 - P.618
文献購入ページに移動患者は,外来であれ入院であれ当然のように痛みの除去などの治療効果と不自由な日常動作の解消を期待する.患者には,PTに対する信頼や行われようとしている理学療法に期待する心理作用が伺え,われわれPTはそれに答えるべく研鑚を積み,理学療法を実践する.臨床実習の場面では,「疾患名は見えても患者自身の顔(特徴)が見えない」と実習指導者に指摘されている学生によく出会う.そもそも,われわれが対象としているのは生身の人間であり,同じ疾患名といえども症状に与える要因は,性別,年齢,障害の程度,経過期間,生活環境など非常に多く,個々の患者の顔を見ずして十分な治療効果を期待することはできない.これは当たり前のことであり,改めて説明するまでもない.若い頃の私と重なり,妙に同情してしまう.
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