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文献概要
講座 病態運動学―変形・拘縮とADL・4
脊柱変形とADL
著者: 金子操1
所属機関: 1自治医科大学附属病院リハビリテーションセンター
ページ範囲:P.625 - P.632
文献購入ページに移動脊柱の基本は,頸椎・胸椎・腰椎・仙骨・尾骨から成る逆S状カーブであり,その形状は,椎骨の椎体部分,椎間板の状態,椎間関節の可動性,筋の緊張度・伸縮性などによって決まる.また脊柱が十分な機能・役割を果たすためにも椎間板,靱帯,筋など脊柱周囲組織が関与している.脊柱カーブは,これら脊柱構成体・関連組織に何らかの先天異常や交通事故,転落事故などによる脊椎の外傷,加齢による脊柱の退行変性など様々な原因により異常が発生する.これは,単に脊柱が外観上異常な変形を認めるだけではなく,脊柱およびその周囲に存在する脊髄,末梢神経・筋組織・靱帯・心・肺・消化管など全身に少なからず影響する.さらに患者の日常生活活動においても,精神心理面,起居動作・移動動作など基本的動作に影響を及ぼすことが知られている.
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