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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル39巻7号

2005年07月発行

文献概要

文献抄録

新開発された油圧ダンパー付き短下肢装具における歩行の運動学的効果:片麻痺者2名の検討 フリーアクセス

著者: 阿部成浩1

所属機関: 1横浜市立脳血管医療センターリハビリテーション部

ページ範囲:P.649 - P.649

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背景:短下肢装具の足関節継手は,遊脚相の足関節底屈を制限しなければならないが,過度な底屈制限は立脚相に膝関節の過度な屈曲の原因となる.底屈を制動する力は,片麻痺者の歩行能力に合わせ適切に調整されるべきであるが,正確な調整は困難である.そこで油圧ダンパー付き短下肢装具(以下,油圧AFO)を開発した.油圧ダンパーは油圧を利用した小さな衝撃緩衝器で,初期接地時の足関節底屈を制動するモーメントを発生する.これは本体の調整ネジを回すだけで簡単に調整できる.

 対象と方法:片麻痺者2名を対象とした.対象Aは40歳代後半の男性の右片麻痺者で,下肢Brunnstrom StageⅢ,発症後19か月経過.日常では金属支柱付きAFO(クレンザック継手0°固定)を使用している.対象Bは40歳代の男性の右片麻痺者,下肢Brunnstrom StageⅣ,発症後17か月経過.日常では継手付きプラスチックAFO(ジレット)を使用している.油圧AFOと日常使用している底屈を制限したAFOを装着した際の歩行分析を行い,両者を比較した.測定には,3次元動作解析装置(VICON512)を使用し,歩行速度,歩行率,歩幅,重複歩距離,立脚相の割合,などの時間―距離因子と股・膝・足関節角度などの運動学的評価を行った.分析にはt検定(p<0.05)を用いた.また主観的評価を質問用紙により行った.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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