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雑誌文献

理学療法ジャーナル39巻8号

2005年08月発行

文献概要

特集 脳卒中の理学療法を再考する

脳卒中の病変と病態生理の特徴

著者: 井門ゆかり1 松本昌泰2

所属機関: 1広島医療保健専門学校神経内科 2広島大学大学院病態探求医科学脳神経内科

ページ範囲:P.661 - P.666

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生活習慣の欧米化とともに,糖尿病,高脂血症,肥満症などの有病率が増加し,高血圧を含むmetabolic syndromeが,アテローム性動脈硬化の危険因子として注目を集めている.このmetabolic syndromeの増加により,本邦の脳血管障害の臨床病型構成は大きく変化してきており,高血圧が強く関与する脳出血やラクナ梗塞などの小血管病変(small vessel disease)が減少し,metabolic syndromeの関与が大きいアテローム血栓性脳梗塞などの大血管病(large vessel disease)が増加しつつある.

 本稿では,はじめに脳血管の解剖学的特徴を紹介し,脳血管障害の臨床病型と動脈硬化病変の関わりについてまとめ,脳卒中の病態生理や,MRI拡散強調画像や灌流強調画像,頸動脈超音波エコー法など各種診断法の進歩をふまえて,最近の治療法について述べる.

参考文献

1)桑原敬介,他:最新・分子動脈硬化学.メディカルレビュー社,東京,pp115-126,2000
2)National Institute of Neurological Disorders and Stroke Ad Hoc Committee:Classification of cerebrovascular diseasesⅢ. Stroke 21:637-676, 1990
3)松本昌泰:マルチプルリスクファクター症候群と脳血管障害.The Lipid 13:511-516,2002
4)Astrup J, Siesjo BK, Symon L:Thresholds in cerebral ischemia;The ischemic penumbra. Stroke 12:723-725, 1981
5)田中耕太郎:脳梗塞急性期の基礎病態.medicina 40:1102-1106,2003
6)Tomura N, et al:Early CT findings in cerebral infarction;Obstruction of lentiform nucleus. Radiology 168:463-467, 1988
7)松本昌泰:頸動脈硬化度の評価.動脈硬化予防2(No. 2):22-27,2003
8)桂研一郎,片山泰朗:脳梗塞急性期の治療戦略.medicina 40:1161-1163,2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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