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学会印象記
―第42回日本リハビリテーション医学会―リハビリテーション医療への期待に応えるために
著者: 松尾善美1
所属機関: 1神戸学院大学
ページ範囲:P.796 - P.797
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第42回日本リハビリテーション医学会学術集会は,石川県金沢市にて2005年6月16日~18日に開催され,そのメインテーマは「リハビリテーション医学の専門性の追及と連携」であり,会長は,立野勝彦先生(金沢大学大学院医学系研究科リハビリテーション科学領域)であった.一般演題の応募数は820であり,盛会であることが窺われた.主会員であるリハビリテーション医学専門医を中心に活発な討論が各会場でなされていた.もちろん理学療法士の姿も散見された.会長講演「リハビリテーション医学の専門性―変遷と障害評価および研究課題―」では,金沢大学医学部附属病院において,20年間で3倍に患者数が増加し,その中で内部疾患の増加が顕著であることを報告された.特に,周術期の呼吸障害,糖尿病,廃用症候群,摂食・嚥下に対するリハビリテーション(以下,リハ)依頼の増加傾向が見られ,疾病構造の変化に対応すべきリハ医療の変化が見られると同時に,リハ治療の専門性およびその効果が問われてきていると述べられた.さらに,リハ治療におけるエビデンスについては,非特異的効果を除いたリハ治療の特異的効果を示すべきであると力説された.この講演は,理学療法士にとっても重要な提言であった.
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