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雑誌目次

雑誌文献

理学療法ジャーナル40巻1号

2006年01月発行

雑誌目次

特集 臨床実習教育

EOI(essences of the issue)

ページ範囲:P.3 - P.3

 平成17年4月現在の理学療法士養成校の総数は186校で,1学年定員数は9,088となった.理学療法士の需給という点において社会的要請に応えられる状況になったことは喜ばしいことである.その反面,理学療法学教育のなかで,「臨床実習教育」の占める比重は高く,その重要性が認知されているところであるが,「臨床実習教育」の形態,方法論,実習施設の確保などの課題が生じている.本特集ではそれらについて論じていただく.

臨床実習教育の変遷と展望

著者: 小川克巳

ページ範囲:P.5 - P.11

はじめに

 今年度も間もなく28週間という長きにわたる臨床実習(総合実習)の全日程を終了した学生が学院へと戻ってくる.臨床実習を終えた学生はひと回りもふた回りもそれらしく成長し,その1人ひとりの成長ぶりを目の当たりにすることが,われわれ指導する側にとって大きな喜びの1つでもある.ただ,そのように大きな変化を起こさせる臨床実習という場面に,学院職員が直接的に関わる機会が少ないという現実に対してはいささかの物足りなさと共に寂しさも感じる.

 教育とは,「人間に他から意図を持って働きかけ,望ましい姿に変化させ,価値を実現する活動」(広辞苑)であり,指導とは,「児童・生徒を生活に適応させ,望ましい発達を可能にするための教育活動」(広辞苑)であるとされる.理学療法士養成に関わる者の1人として,「望ましい姿」や実現したい「価値」を自分自身の中に明確に持ちつつ,学生と向き合うことの大切さと難しさを改めて思う.

 さて今回,理学療法士養成課程における最終段階であり,後々のその学生の理学療法士としての基本的スタンスを決定づけると言っても過言ではない臨床実習教育について,その変遷と展望を述べる機会をいただいた.臨床実習教育のこれまでの流れを振り返りつつ,理学療法(士)を取り巻く課題などについても触れた上で,今後の展望を述べさせていただく.

臨床実習教育のあり方―早期臨床体験の観点から

著者: 坂野裕洋 ,   梶原史恵 ,   江西一成 ,   植松光俊

ページ範囲:P.13 - P.19

はじめに

 近年の医療関係の教育では,専門職をめざす学生としての動機付けを高め,その後のカリキュラム導入を円滑にすることなどを目的とした,専門的医学知識を持つ前の低学年からの早期臨床体験およびearly clinical exposure(早期の臨床提示,以下ECE)の効果が注目されつつある1,2)

 本学においても,ECEの取り組みとして医療・介護施設利用者とのコミュニケーション・介護体験を中心とした「フィールド体験実習」を,1年生前期末に2日間実施している.また,ECEを効果的に実施することを目的に,患者の立場に立った医療,医療人の人間性,医療人・患者関係,接遇技術などについて学ぶ「医療学入門」という授業を1年生前期に実施しており,学生への動機づけの効果を感じている.

 本稿では,筆者らが実施した理学療法学教育におけるECEとその事前授業の取り組みに対する全国調査の結果を示す.そして,本学で実施している「医療学入門」の授業内容紹介とその効果について報告する.

臨床実習教育のあり方―理学療法マネジメントの観点から

著者: 富樫誠二

ページ範囲:P.21 - P.28

はじめに

 急激な理学療法士(以下,PT)養成校の増加によって,臨床実習教育の場とその質の担保が問われている.この状況下で「臨床実習教育のあり方を問う」ことは,臨床実習指導者にとっては,大変難しいテーマである.しかも養成校増加による量が質を駆逐するという問題だけでなく,入院期間の短縮や患者権利意識の変化,プライバシーの保護,患者満足度の向上,個人情報保護の積極的な取り組み,ハイリスク患者の増加,診療報酬体系の変革といった社会情勢の変化に対応しなければならず,これが臨床実習をさらに複雑で難しいものにしている.

 臨床実習指導者は,現場で臨床実習を引き受ける側の組織人(病院・施設などの)として,養成校と連携をとりながら臨床実習を上手にマネジメントしなければならない.しかし未だ成熟しているとはいえない臨床実習教育環境の中では臨床実習をマネジメントする課題は多い.臨床実習は,職場の理学療法マネジメントと一体化されてこそ教育効果が発揮されるものである.

 そこで本稿では,臨床実習教育に長く関わってきた経験を踏まえ,臨床実習指導者の立場で組織論的に理学療法管理学の観点から臨床実習の現状と課題,そして展望について論述する.

臨床実習教育のあり方―臨床実習教育における学生評価の観点から

著者: 吉村茂和 ,   宮﨑純弥

ページ範囲:P.29 - P.35

はじめに

 理学療法士(以下,PT)養成校の臨床(臨地)実習における実習生の評価については,各種の理学療法士学会・論文などでこれまで多数報告されている1~4).臨床実習の指導方法に関しては,問題解決学習,クリニカル・クラークシップ,教員主導型,従来の個別的な指導法など多種多様な教育方法が提唱され,それらに関する報告も散見されるようになった1,5~7).このような多数の報告において,臨床実習における実習生の評価と臨床実習教育がどうあるべきか問われつつある.

 それらの関係を考えるにあたっては,PT養成校(以下,養成校)の養成形態が公私を含めて4年制大学,3年制短大,4年制専門学校,3年制専門学校など多様性を呈し,また臨床実習施設においても病院,小児施設,各種老人施設,訪問施設など保健・医療・福祉領域に拡大している.臨床実習における実習生の評価は養成校の理念や臨床実習教育の目的・目標を背景に,臨床実習指導者(スーパー・バイザー:以下,SV)が実習施設の状況に応じて指導した内容や効果を基盤として行われている.実習生の評価方法は,ほぼすべてのSVが各養成校の評価表を使用していると考えられ,学生の評価には養成校の理念(臨床実習教育の目的・目標)と施設側の指導内容・効果が反映されている.

 本稿の狙いは,養成校の養成形態の違いにおける臨床実習の目的・目標,評価表の特徴について明らかにすると同時に,東京都リハビリテーション病院(当院)における過去3年間の臨床実習の現状および実際の実習生の評価を提示し,評価への各種の影響を述べて臨床実習教育のあり方を考察することである.

座談会

臨床実習教育のあり方―学生としての観点から

著者: 奈良勲 ,   井ノ口尚美 ,   鈴木智子 ,   千原宏明 ,   梛千磨 ,   邉見あゆみ ,   真木伸一

ページ範囲:P.37 - P.45

奈良 本日の座談会のテーマは「臨床実習教育のあり方」,副題として「学生としての観点から」ということであります.ご参加いただいた6名の方々は,全員が最終学年で,臨床実習を終えたところ,あるいはこれから最後の臨床実習を迎えるところです.皆さんが,臨床実習を通じて感じたり,考えたりしていることについて,率直な意見を聞かせていただければと思います.

 わが国の理学療法士(以下,PT)養成は,昭和38年に始まりました.昭和40年には,「理学療法士及び作業療法士法」が制定され,今日では,超高齢社会の到来によって,リハビリテーション関連職種のマンパワーの確保が急務となっています.したがって,その養成数は右肩上がりに増えており,平成17年4月には,PTの養成校は186校になっています.昼間部,夜間部を別々に数えますと231校になり,1学年定員は9,088人です.臨床実習は,指定規則で定められた93単位のカリキュラムのうち18単位,つまり全体の19%を占めています.臨床実習が,理学療法学教育のなかでいかに重要であるかということが,ここからも理解いただけると思います.

とびら

臨床実習雑感

著者: 村瀬雅敏

ページ範囲:P.1 - P.1

 臨床実習で学生を指導していると,その学生と過去の自分自身の姿とがオーバーラップして,スーパーバイザーに指導された事柄や実習中に担当した患者さんの事柄などが思い起こされることがあります.臨床実習を受ける時期は理学療法士に対する夢と希望と,臨床実習に対する言葉では言い表せない不安とが入り乱れていた時期であったように思い出されます.まさに臨床実習は学生にとって一大イベントであるとつくづく感じさせられます.ところで,毎日の忙しい臨床活動の中で,学生にどのような臨床実習を行ってゆけば良いのかを悩んでいらっしゃるスーパイバイザーの先生はいらっしゃいませんか?

 臨床実習におけるスーパーバイザーの方法論と役割などについて,いろいろなご意見があると思いますが私見を述べたいと思います.

理学療法の現場から

中越大震災における理学療法士協会活動

著者: 五十嵐進

ページ範囲:P.47 - P.48

 平成16年10月23日(土)17時56分頃,M6.8・震度7の大地震が新潟県中越地方を襲いました.その特徴としては中山間地での断続的な余震,水害―風害―地震―雪害の連続が挙げられます.日本の原風景ともうたわれる棚田や建造物に大きな破壊の爪痕を残し,多くの被災者が受けた傷ははかり知れません.あれから1年が経ち,今なお9千人を越える方が応急仮設住宅での生活を余儀なくされています.不幸にも犠牲になられた方々のご冥福をお祈りするとともに,全国よりいただいた温かいご支援に対し,改めて深く感謝を申し上げます.何事にも辛抱強く立ち向かう新潟県民気質をもって1人ひとりが自らの生活と地域の建て直しに努めております.今後とも引き続きご支援を宜しくお願い致します.

 理学療法士協会(県士会,本部)として災害対策支援事業を行ったことは既に研修会や誌上にてお知らせしてきました.日本列島のあちこちで起きている地震,「“未知の大地震”はいつ起きてもおかしくない」とまで言われています.阪神・淡路大震災における兵庫県士会の貴重な報告書やアドバイスをもとに活動した経過をまとめてみましたので,ご報告いたします.

1ページ講座 理学療法関連用語~正しい意味がわかりますか?

Dubowitzの神経学的評価

著者: 烏山亜紀

ページ範囲:P.49 - P.49

 新生児の成熟度評価は1970年からはじまり,その後,Prechtl,Saint-Anne dargassies,Brazeltonなどの新生児の神経学的・行動学的評価の影響を受け,DubowitzはThe neurological assessment of the preterm and full-term newborn infantを作成した.

 この評価は①特定の専門知識がないスタッフでも容易に行え,単純で,客観的なシステムである,②満期産児と同様に早産児にも適用できる,③記録を含めて10~15分で効率よく行えること,を目的に作成されている.自律神経系の安定していない早期の段階では過剰なストレスを与える危険性があるため,児が満期に達した児期に使用されることが多く,特徴としてはBrazeltonによる行動評価の一部である光と音に対する慣れ現象が組み込まれている.

学校探検隊

府中リハ,都医短,保科大,そして今,首都大へ

著者: 池田由美 ,   多田裕一

ページ範囲:P.50 - P.51

首都大学東京・健康福祉学部理学療法学科の誕生

 平成17年4月に首都大学東京(首都大)・健康福祉学部理学療法学科は,東京都立保健科学大学(保科大)の独立行政法人化にともない開学しました.首都大・理学療法学科(PT学科)の歴史は府中リハビリテーション専門学校(府中リハ)に始まります.そこで,前半はこれまでの歩みを振り返り,後半は大学生活の紹介をします.

入門講座 家屋改造のポイント 1

家屋改造の基本的な考え方と取り組み

著者: 中村大介

ページ範囲:P.53 - P.60

はじめに

 高齢者の「自立支援」や「在宅の重視」をうたう介護保険制度が平成12年にスタートしてから,住宅改修は自立生活度を向上させる切り札として急速に需要が増えた.これらは,生活者の主体性を尊重するのであれば,当然「介護を受ける」前に自立を可能とする環境整備が必要だという認識が高まったからともいえる.介護保険施行前にわれわれリハビリテーション(以下,リハビリ)担当者は,身体状況からみて自立可能な動作や介助が必要な動作と共に,身体機能からみて最善の生活動作を検討し,本人,家族,改修施行業者と協働で進めていた家屋改造において主導的立場にあった.しかし介護保険施行後はその役割がケアプラン立案者のケアマネジャーに代わり,リハビリ担当者が「住宅改修」を主導的に進めることは少なくなった.このような状況の中で,介護保険制度における「住宅改修」の数は飛躍的に増大したものの,個別対応の不可欠な家屋改造の質が担保されない可能性が指摘されるようになってきた1)

 本稿では,これらを踏まえて,家屋改造の基本的な考え方の入門講座として,理学療法アプローチにおける家屋改造の基本事項を整理し,家屋改造を進めていくうえで留意するポイントについて解説する.

講座 理学療法学教育における臨床技能試験―OSCEの適用と評価 1

OSCE導入についての提案―医学教育の立場から

著者: 中野隆

ページ範囲:P.61 - P.71

はじめに

 近年のインターネットの普及は目覚ましく,巷にはIT専門用語があふれている.しかし,私たちはIT用語を使う際に正確な意味を理解しているであろうか.医学教育改革における用語も,IT用語と同様に,OSCE(オスキー)やPBL,GIO,SBO,チュートリアル・システム,クリニカル・クラークシップ(クリ・クラ),コア・カリキュラム(コア・カリ)などアルファベットで短縮したものやカタカナ表記したものが多い.

 筆者は,1999年に日本理学療法士協会教育管理系研究部会においてOSCEを理学療法教育界に紹介した1).最近の理学療法関係の学会や研修会に出席すると,OSCE導入の速さと熱心な取り組みには驚かされる.その一方で,正確な意味が理解されないままに,あたかもIT用語のように「OSCEという単語のみが1人歩きしているのではないか」という疑問を抱かざるを得ない.OSCEとは何かを熟考しながら,理学療法教育への導入について提案したい.

プラクティカル・メモ

水平リーチ距離測定器の試作

著者: 三谷保弘 ,   酒巻栄治 ,   竹本昌史

ページ範囲:P.72 - P.72

1.はじめに

 リーチ動作は,平衡機能を評価する際に実施されることが多く,臨床現場ではFunctional Reach Testなどが実施されている.これらの測定をより簡便に実施するために,引き出し用スライドレールを用いた「水平リーチ距離測定器」を試作したので紹介する.

雑誌レビュー

Australian Journal of Physiotherapy(2004年)レビュー

著者: 金承革

ページ範囲:P.73 - P.80

はじめに

 2004年に発刊されたAustralian Journal of Physiotherapyの50巻の全体像を紹介し,その中でも筆者が特に興味を持つ論文の概要を紹介し,批評をコメントとして述べる.本稿が臨床家の研究活動の一助になれば幸いである.

 50巻2004年の全体像を表1に示す.Australian Journal of Physiotherapyでは査読原稿について原著(original paper),短報(short paper),報告(report)という厳密な分類はされていない.また,Short-reportという理学療法学とは異なる査読原稿分類がある.専門分野別の論文数を比較すると,呼吸管理に関する論文が多いことが分かる(6件).研究デザイン別で論文数を比較すると無作為化グループ分け比較を行っている論文が多い.

 無作為グループ分け比較の研究デザインは,研究者の被験者選択の際に意図的操作のバイアスを排除し,被験者特性の偏りを防いで治療効果の検出力を高めようという研究方法である.ただし,この方法を用いたからといってすぐに治療の有効性が完全に証明されるわけではない.効果判定を行うための測定項目に因果関係を推測できるような原因パラメータと結果パラメータが含まれるところまで研究を段階的に発展させていかなければ,最終的に治療効果が妥当であるかを判定できないと筆者は考える.研究論文を読む際には研究の形式だけに目を奪われるのではなく,因果関係すなわちメカニズムを追及する目を持ち,現在どの段階の研究が行われているかを判断することも論文を批評する上で重要である.

 以下にAustralian Journal of Physiotherapy, Volume 50, No. 1-No. 4, 2004の中のいくつかの論文を紹介する.

文献抄録

冠動脈バイパス術後患者に対するシャトルウォーキングテストの再現性と有効性

著者: 解良武士

ページ範囲:P.82 - P.82

 目的:一般的に冠動脈バイパス術後の体力評価には最高酸素摂取量(VO2peak)測定や6または12分間歩行試験が用いられる.しかし器具や操作の慣れ,精度などの問題がある.シャトルウォーキングテスト(ISWT)はVO2peakとの相関が高く,1回の試行で再現性も十分高い.冠動脈バイパス術後の患者に対するISWTの再現性を検討した.

 方法:対象者は冠動脈バイパス術から6~8週間経過した39名.3回のISWT(テスト1~3)と漸増運動負荷試験でのVO2peak,呼吸困難指数,自覚的運動強度を比較し,再現性,有効性について検討した.さらに心臓リハビリテーション前後のISWTを比較し感度を検討した.各試験間の比較には分散分析を用い,ISWTとVO2peakの関係にはピアソンの相関係数を用いた.ISWTとトレッドミルによる漸増運動負荷試験の比較にはt検定を用いた.ISWTの再現性をみるためにICC(intraclass correlation)を用いた.

脳卒中患者に対する後ろ向き歩行練習の効果

著者: 杉本諭

ページ範囲:P.82 - P.82

 目的:脳卒中患者では歩行速度の低下,非対称的な歩行パターンが特徴的である.歩行速度の増加を目的として速歩練習が行われているが,これは安全性の低下や歩行時の非対称性の増悪によるバランスの低下などを引き起こす可能性がある.本研究の目的は後ろ向き歩行練習を施行し,その効果を検証することである.

 対象:台北市(台湾)メディカルセンターに外来通院中の脳卒中患者25名(男性19名,女性6名,平均年齢63歳)で,対象の基準は①初発,②一側性の運動・感覚障害,③下肢Br. stageがⅢまたはⅣ,④11m自力で歩行可能(杖または装具の使用を認める),⑤病状が安定し,本研究に同意の得られた者であった.発症からの期間は平均6か月であった.

脊髄損傷患者における体幹と腹部への支持が呼吸に与える影響

著者: 佐藤英雄

ページ範囲:P.83 - P.83

 目的:脊髄損傷患者が,体幹と腹部の両方への支持が与えられるようにデザインされたコルセットを装着することで,端座位時の自発呼吸における呼吸困難感,肺機能,横隔膜への負荷,横隔膜筋力がどのような影響をうけるかについて調べることを目的とする.

 対象:対象は入院中の10名の脊髄損傷患者である.その内7名は四肢麻痺であり,全員外傷による骨折または脱臼の既往があった.損傷高位はC5~T5であり,人工呼吸器補助が必要な者はいなかった.

慢性期脳卒中患者の歩行能力と運動機能および関節位置覚の関係

著者: 小林智子

ページ範囲:P.83 - P.83

 目的:慢性期脳卒中患者の歩行能力と下肢の運動機能および関節位置覚の関連を明らかにする

 対象者:発症6か月以上(平均62.2±55.5か月)経過した在宅片麻痺患者21名

書評

―栗山節郎監修・川島敏生著―「実践アスレチックリハビリテーションText & CD-ROM」

著者: 柳澤健

ページ範囲:P.52 - P.52

 近年,アスレチックリハビリテーションやスポーツ理学療法が注目を浴びている中で,本書が上梓されたことは実にタイムリーである.監修者の栗山先生と著者の川島先生は,アスレチック系の著書である「スポーツマンの運動療法」や「アスレチックトレーニングの実際」・「新・ストレッチングの実際」などを発刊し,専門医と理学療法士との間に厚い信頼関係を保ちながら永年医療やスポーツ現場に従事し続けている.

 本書の特徴は,図表・写真の多用に加え,近年のIT化に合わせCD-ROMを提供することにより,写真だけでは困難であった動的技法を詳細かつ正確に示していることである.

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編集後記

著者: 奈良勲

ページ範囲:P.86 - P.86

 新年あけましておめでとうございます.昨年は世界各地で自然災害の被害を受けた年のようでした.今年は戌年ということで,“ここ掘れワンワン”と異変を察知してくれる犬を飼ってみてはいかがでしょうか.

 さて,本号の特集は「臨床実習教育」です.平成17年度4月現在の理学療法士養成校の総数は186校で,1学年定員数は9,088となりました.理学療法士の需給という点では喜ばしい反面,理学療法学教育のなかで「臨床実習教育」が占める比重は高く,様々な課題が生じていることから,本特集では「臨床実習教育」の変遷と展望,あり方などについて論述いただくことになりました.

基本情報

理学療法ジャーナル

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1359

印刷版ISSN 0915-0552

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