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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル40巻1号

2006年01月発行

文献概要

特集 臨床実習教育

臨床実習教育のあり方―理学療法マネジメントの観点から

著者: 富樫誠二12

所属機関: 1広島市立安佐市民病院 リハビリテーション科 2河﨑学園 大阪河﨑学園リハビリテーション大学

ページ範囲:P.21 - P.28

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はじめに

 急激な理学療法士(以下,PT)養成校の増加によって,臨床実習教育の場とその質の担保が問われている.この状況下で「臨床実習教育のあり方を問う」ことは,臨床実習指導者にとっては,大変難しいテーマである.しかも養成校増加による量が質を駆逐するという問題だけでなく,入院期間の短縮や患者権利意識の変化,プライバシーの保護,患者満足度の向上,個人情報保護の積極的な取り組み,ハイリスク患者の増加,診療報酬体系の変革といった社会情勢の変化に対応しなければならず,これが臨床実習をさらに複雑で難しいものにしている.

 臨床実習指導者は,現場で臨床実習を引き受ける側の組織人(病院・施設などの)として,養成校と連携をとりながら臨床実習を上手にマネジメントしなければならない.しかし未だ成熟しているとはいえない臨床実習教育環境の中では臨床実習をマネジメントする課題は多い.臨床実習は,職場の理学療法マネジメントと一体化されてこそ教育効果が発揮されるものである.

 そこで本稿では,臨床実習教育に長く関わってきた経験を踏まえ,臨床実習指導者の立場で組織論的に理学療法管理学の観点から臨床実習の現状と課題,そして展望について論述する.

参考文献

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15)黒川 清,阿部好文:クリニカルクラークシップ実践ガイド,診断と治療社,2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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