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入門講座 ベッドサイドでの患者評価 4
整形外科疾患
著者: 永井聡1
所属機関: 1昭和大学藤が丘リハビリテーション病院
ページ範囲:P.857 - P.866
文献購入ページに移動医療界ではEBMの重要性が連呼されている昨今,医療保険制度の改革や手術手技の進歩により,入院期間が短縮され,術後の経過にも大きな影響を与えている.理学療法の分野でも大きな変革期を迎えており,入院期間の短縮に伴い,術後理学療法プログラムは整形外科領域のどの疾患においても早期化,短期化されてきている.
本連載は「ベッドサイドでの評価」がテーマであるが,現在,大学病院など手術例の比較的多い病院では,整形外科疾患の理学療法はベッドサイドで開始するのではなく,術後早期から理学療法室で運動療法を行っている施設が多く,入院期間も1か月未満となってきている.特に,本稿で紹介する変形性疾患に対する人工関節置換術は,まさにその象徴といえる疾患である.現在,全国的な傾向として,人工関節手術を施行する施設では,術後は数日後から1週間で歩行を開始し,従来の部分荷重歩行練習は行われなくなってきている.またそれに伴って水治療法の適応となるケースは減っており,ハバードタンク内運動やプール内歩行も行われなくなってきている.創部の回復より先に歩行が獲得されていることも珍しくはない.本稿では整形外科疾患に対し,ベッドサイドに限らず理学療法開始時の評価について新人向けにまとめる.
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