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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル40巻12号

2006年12月発行

文献概要

報告

上腕骨外上顆炎に対する新型装具の紹介

著者: 月村規子1 戸田佳孝1 槻浩司

所属機関: 1貴晶会戸田整形外科リウマチ科クリニック

ページ範囲:P.1049 - P.1054

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緒言

 従来,上腕骨外上顆炎,またの名をテニス肘は,その名のごとく,テニスなどによって手関節に強い機械的負荷がかかることによって生じる疾患であると考えられてきた.しかし,近年では,主婦や事務員など軽作業に従事する人の中にも頻発している.

 筆者らは,中指伸展制御付き手関節バンド(以下,新型バンド)を考案・作製し,その1週間の装着による効果を従来の短橈側手根伸筋を圧迫するバンド(以下,従来型バンド)と比較検討した.

 筆者らの研究に,上腕骨外上顆炎患者24例を対象に新型バンド群(13例),従来型バンド群(11例)の1週間の装着効果を視覚疼痛指数,日常生活活動困難度を用いて比較検討したものがある.その結果,視覚疼痛指数も日常生活活動困難度も新型バンド群が従来型バンド群に比べ有意に改善していた1)

 しかし,前回の研究では,症例数が少なく,また腱の疼痛段階分類も用いていなかった.よって,今回の研究では,症例数を増やし,腱の疼痛段階分類および日常生活活動困難度を用いて,新型バンドが従来型バンドに比べ,短期間での装着効果が得られるか否かを検討することを目的とした.

参考文献

1 )月村規子,他:テニス肘に対する中指伸展制御付き手関節バンドの効果について.臨整外41:561-565,2006
2 )二見俊郎:知ってるつもり―テニス肘―.臨整外34:350-351,1999
3 )月村規子,他:テニス肘患者の主観的受傷機転と装具療法の効果について.臨床スポーツ医学23:1263-1268,2006
4 )Nirschl RP, Pettrone FA:Tennis Elbow:The surgical treatment of lateral epicondylitis. J Bone Joint Surg Am 61:832-839, 1979
5 )Stratford P, et al:Extensor carpi radialis tendonitis:A validation of selected outcome measures. Physiotherapy Canada 39:250-255, 1987
6 )Gruchow HW, Pelletier D:An epidemiologic study of tennis elbow. Incidence, recurrence and effectiveness of prevention strategies. Am J Sports Med 7:234-238, 1979
7 )Pascarelli EF, Hsu YP:Understanding work-related upper extremity disorders:clinical findings in 485 computer users, musicians, and others. J Occup Rehabil 11:1-21, 2001
8 )Fairbank SR, Corelett RJ:The role of the extensor digitorum communis muscle in lateral epicondylitis. J Hand Surg[Br]27:405-409, 2002
9 )井上貞宏:いわゆる上腕骨外側上顆炎に対する注射療法 いわゆる局注の成績向上への工夫.日本肘関節学会雑誌12:99-100,2005
10)Hume PA, et al:Epicondylar injury in sport:epidemiology, type, mechanisms, assessment, management and prevention. Sports Med 36:151-170, 2006
11)福岡利之:上腕骨外上顆炎について―保存的治療法を中心に―.日本臨床整形外科医会会誌20:75-78,1995

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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