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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル40巻13号

2006年12月発行

文献概要

特集 理学療法の展望2006 第Ⅱ部 理学療法の発展と課題

認知運動療法の発展と課題

著者: 沖田一彦1 宮本省三2

所属機関: 1県立広島大学保健福祉学部 2高知医療学院理学療法学科

ページ範囲:P.1172 - P.1173

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 わが国における認知運動療法(esercizio terapeutico conoscitivo:ETC)の展開は,1992年の本誌にイタリアのリハビリテーション専門医Caro Perfett氏による翻訳論文1)が掲載されたことに始まる.その後,1998年の基本テキストの出版2),2000年の研究会の設立3),2004年のコースの整備4)を経て,現在は理学療法士(以下,PT)や作業療法士(以下,OT)に徐々に浸透し,臨床における実践が試みられている.本誌38巻11号(2004年)で特集が組まれたのは記憶に新しいが,ここでは理学療法の領域においてETがもつジレンマと今後の課題について述べたい.

参考文献

1) Perfetti C(著),宮本省三・沖田一彦(訳):脳卒中片麻痺に対する認知運動療法;学習過程としてのリハビリテーション.PTジャーナル 26:50-54,1992
2) Perfetti C,他(著),小池美納(訳):認知運動療法;運動機能再教育の新しいパラダイム,協同医書出版社,1998
3)「日本認知運動療法研究会」にて機関紙の発行,学術集会およびコースの開催を行っている.事務局:781-0270 高知市長浜東並松6012-10高知医療学院内(http://www.ctejapan.com/)
4) コースは,ベーシック,アドバンス,マスターの3段階から構成されている.マスターコースは,イタリアの「サントルソ認知神経リハビリテーションセンター」でPerfett氏の講義を含めて開催される.
5) Pante F(著),小池美納(訳),宮本省三(編):認知運動療法講義,協同医書出版社,2004
6) 筆者らは,ETの治療内容に鑑み,1)の翻訳時に“esercizio terapeutico conoscitivo(英:cognitive therapeutic exercise)”の適切な訳語に悩んだが,定訳に従い「認知運動療法」とした経緯がある.
7) Pieroni A(著),小池美納(訳),沖田一彦(編): 認知を生きる」ことの意味,協同医書出版社,2003
8) Perfetti C(著),小池美納(訳):脳のリハビリテーション.中枢神経疾患編,協同医書出版社,2005
9) 宮本省三:リハビリテーションルネサンス;心と脳と身体の回復,認知運動療法の挑戦,春秋社,2006
10)『現代思想』(青土社)34巻13 号(2006)の特集「リハビリテーション」における論文を参照されたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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