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特集 理学療法の展望2006 第Ⅱ部 理学療法の発展と課題
脳卒中の理学療法の発展と課題―技術の進歩とエビデンス
著者: 潮見泰藏1
所属機関: 1国際医療福祉大学保健学部理学療法学科
ページ範囲:P.1206 - P.1207
文献購入ページに移動さらに,わが国でも徐々に導入されつつある脳卒中ユニット(stroke unit)における多角的なチームアプローチによるリハビリテーション環境の有効性については,無作為化比較対照試験の結果により証明され,国際的にもコンセンサスが得られている.脳卒中ユニットの有効性は,歩行能力,日常生活活動,自宅復帰率,在院日数,医療費,生存率について認められている.この脳卒中ユニットは,理学療法室におけるADLと病棟とのADLに差がないこと,家族への指導・教育が積極的に行われること,などの特徴をもっている.その根拠として,運動・練習の効果は介入量に応じてその介入した課題に特異的に認められることが示されている.このように理学療法の分野にも新しい脳科学における研究成果の一部は徐々に取り入れられつつある.しかし,脳科学の研究知見が,理学療法のような治療実践に具体的に応用され,かつそれが体系化されるまでには,さらにまだ多くの時間が必要であろう.
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