icon fsr

文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル40巻13号

2006年12月発行

文献概要

特集 理学療法の展望2006 第Ⅱ部 理学療法の発展と課題

脊髄損傷の理学療法

著者: 小野田英也1

所属機関: 1神奈川リハビリテーション病院理学療法科

ページ範囲:P.1208 - P.1209

文献購入ページに移動
 脊髄損傷者(以下,脊損者と略)のリハビリテーションの歴史は合併症治療の歴史といっても過言ではない.呼吸器合併症,尿路感染症,褥瘡は脊損者の3大合併症といわれ,昔はただ死を待つばかりであった.3大合併症の治療方法が確立され,生命予後が格段に向上するに従い,病院・療養所内で無為に過ごさざるを得ない脊損者が多く存在するようになった.彼らの能力を生かし,入院生活に潤いをもたせようとStoke Mandeville病院のDr.Guttmannによって始められたのがパラリンピックの前身である国際ストークマンデビル車いす競技会である.これをきっかけに脊損者の社会復帰が進み,リハビリテーションが発展していった.

 リハビリテーション,ノーマライゼーションの普及,社会環境の整備,福祉用具の発達等により,高位頸損者も社会復帰できるようになり,街中で車いすを使用し,移動する脊損者を見かけるようになってきた.脊損者の社会復帰が一般化した現在においても歩行は脊損者の最大の関心の1つである.いわゆる障害受容ができた脊損者でも再び歩行可能となるといわれれば,これを拒否する人はいないであろうし,脊損者にとって歩行は永遠の願いである.脊損者の歩行を考える場合,キーワードは歩行用装具と脊髄再生である.

参考文献

1) Wering A, et al:Laufband locomotion with body weight support improved walking in persons with severe spinal cord injuries. Paraplegia 30:229-238,1992
2) 山本美絵:神経の再生医療と理学療法の関わりを展望する.理学療法 22:1578-1583,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?