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新人理学療法士が求める理学療法責任者のリーダーシップ行動について
著者: 村田伸12 松尾奈々3 溝田勝彦4 津田彰5
所属機関: 1第一福祉大学 人間社会福祉学部 2久留米大学大学院 心理学研究科 3医療福祉専門学校緑生館 理学療法学科 4畿央大学 理学療法学科 5久留米大学 文学部心理学科
ページ範囲:P.211 - P.217
文献購入ページに移動新人理学療法士(以下,新人PT)が患者のニードにあった理学療法を展開するためには,理学療法についての基本的な知識や技術を習得していることの他,良き指導者がいること,勤務している職場の環境や業務内容に満足していることなどが必要と考えられる.なかでも職場での人間関係,とりわけ理学療法責任者(以下,PT責任者)との関係のあり方は,円滑に理学療法を実施するために,特に重要と考えられる.
そこで本研究では,PT責任者の態度や行動が,新人PTに影響を与えているという視点から,これらをリーダーシップ1~3)として捉え,研究を進めた.なお,本研究におけるPT責任者とは,理学療法の現場責任者であり,理学療法士であることを条件に調査した.組織における管理者のリーダーシップについては,すでに多くの研究が行われ,上司のリーダーシップが部下の仕事に対する意欲や生産性に影響を及ぼすことが明らかにされている1~4).医療関係職種においては,看護師を対象とした研究が散見される2,5,6).吉田ら2)は,病院における看護師長の行動が,看護スタッフの意欲や満足度に与える影響が大きいことを報告している.しかし,医療施設における理学療法士のリーダーシップ行動について検討した報告は,筆者らが知り得た範囲では見当たらない.
本研究の目的は,新人PTが期待するPT責任者の行動を明らかにし,PT責任者に期待されるリーダーシップを行動として測定するための尺度構成を検討することである.
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