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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル40巻3号

2006年03月発行

文献概要

1ページ講座 理学療法関連用語~正しい意味がわかりますか?

Central Pattern Generator

著者: 谷浩明1

所属機関: 1国際医療福祉大学

ページ範囲:P.223 - P.223

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 CPG(central pattern generator)は中枢パターン発生器と呼ばれ,歩行をはじめとする移動(locomotion)や呼吸運動のようなリズミカルな運動を自動的に発生させる神経回路網のことを指す.図は簡単なCPGの概念図である.入力は,ニューロン1の活動を引き起こし,屈筋群を働かせる.続いて,ニューロン2,3を介して,伸筋群とニューロン4の活動を引き起こす.このループによって,屈筋群と伸筋群の交互の収縮パターンが実現できる.

 こうしたCPGのレビューとしてはGrillnerら1)の書いたものが有名だが,Shikら2)の60年代の実験はその基礎となっている.彼らは,上位中枢から切り離したネコの脊髄を刺激することで正常な歩行に似た下肢のパターンを誘発している.上位中枢からだけでなく,求心路が遮断された状態でも同じパターンが出現することから,脊髄内の神経回路だけでこの運動を実現できることが裏付けられた.しかし,これらの回路が自動的にパターンを発生させることが可能であっても,実際の歩行には,図に示したような上位中枢,求心性入力による駆動・制御が必要になる.

参考文献

1)Grillner S, et al:Central pattern generators for locomotion, with special reference to vertebrates. Ann Rev Neurosci 8:233-261, 1985
2)Shik ML, et al:Locomotion of the mesencephalic cat elicited by stimulation of the pyramids. Biofizika 13:127-135, 1968
3)Schmidt RA, et al:Motor Control and Learning, 3rd edition, pp136-139, Human Kinetics, 1999

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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