文献詳細
文献概要
入門講座 家屋改造のポイント 3
段差,玄関の家屋改造のポイント
著者: 金指巌1
所属機関: 1松山市保健所
ページ範囲:P.227 - P.232
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理学療法士として患者のリハビリテーションに携わっていく際に,ゴールとして目指すところが“日常の自立した生活”とするならば,その対極にあるものは,“閉じこもった寝たきりの生活”ということになろう.
家の中から部屋の中,そして布団の中へと“閉じこもり”が進行して行くこと自体,それは寝たきりへと近づいていく過程であり,この“閉じこもった生活”から脱却を図っていくことは,リハビリテーションの目標である「自立」に直結する重要な課題であるといえる.
自立した生活を営んでいくうえで移動方法の確保は不可欠である.疾病や老化によって心身の機能低下を来した人にとって,移動を妨げ,生活範囲の狭まりを生む物理的な要因として,住宅内の段差の問題が存在している.
本稿をまとめるにあたって,自分自身が過去に訪問で関わってきた様々なケースの記録を見直してみると,その多くは住宅内の段差によって生じた移動や起居動作の問題の解決に費やされていた.すなわち段差によって生じたADLの破綻に対する具体的な解決策の提示が,私自身の訪問指導の重要なテーマであったことに改めて気づかされた.
本稿では住宅の内外に存在する様々な段差とその対応策について,実例を紹介しながら説明していく.
理学療法士として患者のリハビリテーションに携わっていく際に,ゴールとして目指すところが“日常の自立した生活”とするならば,その対極にあるものは,“閉じこもった寝たきりの生活”ということになろう.
家の中から部屋の中,そして布団の中へと“閉じこもり”が進行して行くこと自体,それは寝たきりへと近づいていく過程であり,この“閉じこもった生活”から脱却を図っていくことは,リハビリテーションの目標である「自立」に直結する重要な課題であるといえる.
自立した生活を営んでいくうえで移動方法の確保は不可欠である.疾病や老化によって心身の機能低下を来した人にとって,移動を妨げ,生活範囲の狭まりを生む物理的な要因として,住宅内の段差の問題が存在している.
本稿をまとめるにあたって,自分自身が過去に訪問で関わってきた様々なケースの記録を見直してみると,その多くは住宅内の段差によって生じた移動や起居動作の問題の解決に費やされていた.すなわち段差によって生じたADLの破綻に対する具体的な解決策の提示が,私自身の訪問指導の重要なテーマであったことに改めて気づかされた.
本稿では住宅の内外に存在する様々な段差とその対応策について,実例を紹介しながら説明していく.
参考文献
1)新村 出:広辞苑 第5版,岩波書店,p1689,1998
2)近藤 敏:高齢者の転倒と心理的要因.理学療法18:869-873,2001
3)日本公衆衛生協会:地域リハビリテーション懇談会報告書,21,2000
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