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特集 脳卒中治療ガイドラインと理学療法
脳卒中治療ガイドラインと急性期の理学療法
著者: 大塚功1
所属機関: 1慈泉会相澤病院総合リハビリテーションセンター
ページ範囲:P.259 - P.265
文献購入ページに移動はじめに
脳卒中治療ガイドライン20041)が本邦で刊行され,リハビリテーション(以下,リハビリ)の体制,をはじめ,主な障害と問題点に対するリハビリについてのエビデンスならびにガイドラインが示されて1年余りが経過した.加えてわれわれの臨床場面では,ICF(国際生活機能分類:international classification of functioning, disability and health)の活用やクリニカルパスの導入などにより,障害や治療体系の標準化も進んだ.しかしその一方で,標準化・効率化された医療体制においても,運動機能と生活機能障害を治療対象とする,個別性の高いリハビリサービスの提供も求められている.そのような状況において,脳卒中患者に対する効果的なリハビリシステムをどのように構築し,実践していくか,また理学療法(以下,PT)の介入はどうあるべきであろうか.
本稿では,脳卒中急性期におけるPTと,本ガイドラインに示されている指針に関係する臨床システムと今後の課題について述べる.
脳卒中治療ガイドライン20041)が本邦で刊行され,リハビリテーション(以下,リハビリ)の体制,をはじめ,主な障害と問題点に対するリハビリについてのエビデンスならびにガイドラインが示されて1年余りが経過した.加えてわれわれの臨床場面では,ICF(国際生活機能分類:international classification of functioning, disability and health)の活用やクリニカルパスの導入などにより,障害や治療体系の標準化も進んだ.しかしその一方で,標準化・効率化された医療体制においても,運動機能と生活機能障害を治療対象とする,個別性の高いリハビリサービスの提供も求められている.そのような状況において,脳卒中患者に対する効果的なリハビリシステムをどのように構築し,実践していくか,また理学療法(以下,PT)の介入はどうあるべきであろうか.
本稿では,脳卒中急性期におけるPTと,本ガイドラインに示されている指針に関係する臨床システムと今後の課題について述べる.
参考文献
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