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文献概要
講座 運動学の定説を問う・1
人体のテコ―人体に第2のテコはありやなしや
著者: 高橋正明1
所属機関: 1昭和大学保健医療学部
ページ範囲:P.309 - P.317
文献購入ページに移動一体何が原因でこのような混乱が生じたのか.理論と計算式で容易に解決できる力学の現象にもかかわらず,なぜ長い間統一的な見解ができあがらなかったのか.不思議といえば不思議である.おそらく自身の中では解決している人たちも,あえてこの問題を取り上げて論文にする労をとらなかったからであろう.加えて,今回わかったことであるが,例えば,いつ頃どのような経緯でテコの種類が第1から第3まで決められたのかとか,バランスのテコ,力のテコ,スピードのテコといった呼び方は広く認められた名称なのかといった一般的なテコの歴史や雑学については,少なくとも身近にある運動学関係の本には書かれていない.物理や機械工学系に幅を広げてみても資料にできる記録にたどり着かない.おそらくこれがテコの概念的混乱の最大要因と思われるが,記録がないわけはないはずで,もし何らかの資料をご存じの読者がおられたら是非ともお教えいただきたい.
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