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特集 創傷治癒と理学療法
創傷治癒と理学療法―創傷管理・保護の視点で行う理学療法
著者: 永冨史子1 武田正則2
所属機関: 1川崎医科大学附属病院リハビリテーションセンター 2独立行政法人 労働者健康福祉機構吉備高原医療リハビリテーションセンター
ページ範囲:P.363 - P.370
文献購入ページに移動創傷には,外傷・褥瘡などによる軟部組織の欠損,皮膚・軟部組織が直接の治療対象である植皮術や褥瘡治療術後,外科手術による治療上の侵襲としての術創・創外固定部など,多くの種類がある.いずれにしても,創傷治癒は順調な治療に必須の条件である.
創傷の治癒遅延や遷延治療は,理学療法計画にも大きく影響する.理学療法士は,創傷治癒過程や阻害因子について必要な部分を理解し,治療に生かす必要がある.
皮膚は,関節運動に柔らかく追随しながら,すべての生活動作において体重による圧迫を受け,ずれ応力などのストレスに直接さらされる.理学療法士は,創の状況を把握し,理学療法により創部へかかる物理的ストレスの可能性について分析したうえで,安全な運動課題を提示しなければならない.創傷や創傷付近が支持面となる動作や,運動療法の対象関節付近に創傷がある場合などは,特に重要である.
創傷治癒を目的とした理学療法の効果に関する論文には,物理療法に関する論文が多く著されている.今回その内容は専門論文へゆずり,本稿では,創傷治癒を念頭に置き創傷管理と保護の視点で理学療法を施行する際の留意点を中心に,創傷種別に症例を紹介し,解説する.
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